ただ、その産経は昨年7月、注目すべき記事を出していた。大阪・関西万博の工事で、フランス系イベント会社「GLイベンツ」の日本法人から約3億4000万円が支払われていない、と下請け業者が訴えたのだ。
準備段階から難航していたことを組織委自身が把握
なぜ万博の話がアジア大会と関係するのか。実はこの会社、アジア大会でも競技会場の設営・運営を630億円で受託しているのだ。
そして未払いを訴えた業者は、こう心配していた。
「未払い問題が来年のアジア大会に悪影響を及ぼすのではないか」
おお。「次の五輪につなげたい」と書いた産経は、実は1年前からアジア大会への懸念も報じていたのである。
この問題は文春も報じている。9月25日の週刊文春 電子版「『アジア大会』大混乱を裏付ける組織委員会内部資料」である。
文春が入手した組織委の内部資料によれば、大会の1年以上前からGLとの調整は難航。資料には「なかなか指示が反映されていない状況」とあり、今年1月にはGLに「クレームを入れる予定」とまで記されていた。
つまり、少なくとも会場設営・運営業務については、準備段階から難航していたことを組織委自身が把握していたのである。もちろん、今回の国歌やバス、宿泊など個々のトラブルがGLに原因があると確認されたわけではない。そこは分けて考える必要がある。
ただ、昨年の段階で産経が懸念を報じ、今回、文春が内部資料から準備段階での難航を報じた。ならば知りたい。組織委はリスクをどこまで把握し、どう対応していたのか。
そして、もう一つ。そもそも今の日本で、また五輪を招致することがそんなに重要なのか。東京五輪では汚職・談合まで起きた。なぜ、また五輪なのか。そこから問い直してほしい。今回のアジア大会のドタバタを「とっておきの野次馬案件」として追いかけていたら、結局、また「あの件」にたどり着いたのであった。
