「母みたいな老後がいいな」

綾瀬 家族の時間を増やしたいですね。お母さんとの思い出をもっと作りたいなって。

阿川 結婚はしようがしまいが、どうだっていいと思うんですが、死を意識すると、このままおひとり様で死ぬのかとか、老後を想像します?

綾瀬 母みたいな老後がいいなと思いますね。自分で生きる楽しみを見つけられるって素敵だなと。本当に楽しそうなんですよ。

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面白い作品に出会いたい

阿川 じゃあ、いずれは広島に帰りたい?

綾瀬 いや、そこも今はどうなんだろうって思っていますね。仕事は頑張りたいですし、面白い作品に出会いたい気持ちが強くて。

阿川 意欲あるじゃない。

綾瀬 そうですね。お仕事を続ける以上は、めちゃめちゃ面白いことに全力で向き合って人生を豊かにしたいです。

阿川 立派な心がけですよ。今回の作品もそうだけど、いろんな時代のいろんな役を演じる人生ですよね。

綾瀬 役を通していろんな出会いがあり、学びがあります。これが自分の生きる道というか、仕事が人生の基盤になっているのかなと。もはや仕事ばっかりしてきましたから(笑)。

阿川 休暇も取ってね。今回演じた朝日先生から学んだことは何ですか。

綾瀬 自分の損得よりも世の中にとって未来にとって良いことをするんだという使命感が強いですよね。それから決してブレない。女性弁護士団の間でちょっとした意見の対立があっても、朝日先生は裁判に勝つという大きな目的があるから諍いに参加しない。本当に人格者だなって。

お人好しの弁護士・朝日道子役を演じた ©2026「ファーストボイス」製作委員会

阿川 あなたが演じたんですよ(笑)。朝日先生は、綾瀬さんの凜とした美しさと、のほほんとしているところが合わさった感じが似ていますよ。

綾瀬 フフフ(笑)。たしかにのんびりしているところは似ているかなと思います。でも、どんな困難にも「逆にやる気が出てきたわ」「むしろチャンスなんじゃない」と、めげないから本当にかっこいい。

阿川 あの裁判での弁論シーンがかっこよかった。

綾瀬 あのシーンで、朝日先生が「想像してみてください〜」と言うところがすごい好きです。当事者でないと他人事で終わっちゃうことが多いじゃないですか。だからこそ、朝日先生は、もし自分や自分の大事な人が同じ目に遭ったらどう思うかを想像してみてくださいと問いかける。誰一人嫌な思いをすることなく、男女が平等で生きられる社会を目指す闘いの中で、先生の主張はシンプルで説得力があるなって。

阿川 特に今の時代は、AIで即座に正解が出てしまう。それでも自力で答えを出そうと、想像を働かせることの大切さが問われていますよね。

綾瀬 『news23』で話を聞いた、戦争を体験したあるおばあちゃんが「想像すれば、戦争がどんなに酷いものか分かる」とおっしゃっていたんです。『ファーストボイス』を通して想像力って大事だなと改めて感じました。

《「週刊文春 電子版」では阿川佐和子さんから綾瀬はるかさんへの「一筆御礼」がお読みいただけます。対談当日、阿川さんが感動した綾瀬さんの“ある行動”とは?》

〈ヘアメイク〉井手真紗子
〈スタイリスト〉西 真由美
〈衣装〉Plan C、GIA STUDIOS、AURALEE、KAJA BIJOUX、MARIA BLACK 

INFORMATION

映画『ファーストボイス』
2026年10月2日(金)全国ロードショー!

出演:綾瀬はるか
ファーストサマーウイカ、松本穂香
峯村リエ、山田真歩、工藤阿須加、水川かたまり(空気階段)/ 鈴鹿央士、迫田孝也、酒向芳、木村多江、筒井道隆

監督:前田 哲 脚本:橋本裕志 音楽:富貴晴美
製作:「ファーストボイス」製作委員会
配給:松竹/ワーナー・ブラザース映画

©2026「ファーストボイス」製作委員会

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