――なぜ、一般的な古着店には少ないのでしょう?

mihra 昔のユニクロは、着古したら処分する日常着だと思われていたからではないでしょうか。大量に作られた一方で、将来の価値を考えて保管した人は少なかった。

 アメリカンヴィンテージを扱う店は海外から仕入れることが多く、日本の量販店だったユニクロは対象になりにくかった。そのため、いまも地域のリサイクルショップに日用品として紛れ込んでいることが多いんです。

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「グレーのフリース」が原点

――約1000着を所有するまでになった最初の一着は?

mihra 5年ほど前、セカンドストリートで見つけた2000年頃のグレーのフリースです。紺色をベースに、太い書体で「UNIQLO」と記された、現在とは違うタグが付いていました。

 それを見たとき、「親が昔、部屋着にしていたユニクロに付いていたな」と記憶がよみがえったんです。値段も安く、最初は普段着になればいいという軽い気持ちでした。

――子どもの頃からユニクロが好きだったわけではない?

mihra まったく違います。親についていく服屋という印象でした。僕は1998年生まれなので、物心がついたときには、すでに全国展開する大企業だったんです。

 ところが、調べ始めると、年代によってロゴも服の仕様もまったく違う。自分の知らないユニクロが次々に出てきて、収集するようになりました。

旧ロゴにヘンリーネックというとびきりレアな一枚 ©mihra

――オールドユニクロの黄金時代である90年代を体験していないことも、かえってプラスなのでしょうか?

mihra それは大きいと思います。当時を知る人には、「昔のユニクロはデザインがイマイチ」「安い服だった」という記憶もある。でも、僕にはその先入観がまったくないので、ひとつのカルチャーとして見られたのかもしれません。

昔のユニクロは、いい意味で完成されていなかった

――昔のユニクロと現行品との違いは?

mihra 特に90年代半ば頃までの商品は、アメカジ色が強いんです。ボックス型のシルエットや、男っぽくて少し野暮ったいデザインが多く、普通の古着とも自然になじみます。

 現在のユニクロは、デザインが非常に洗練されていて完成度が高い。一方、昔の商品には、流行を懸命に取り入れようとした痕跡や、現在なら商品化されないような大胆さがあります。

――「昔のユニクロのほうが、質がよかった」という意見もあります。

mihra よく言われますが、時代によりますね。質がよかった時期もありますが、初期の商品は同じ年代でもサイズや仕立てがばらばらです。年代が新しくなるにつれ、サイズや品質が均一化され、現在のユニクロへ近づいていきます。