9月13日、男子バレーボール日本代表はアジア選手権決勝で難敵イランを下し、2028年に開催されるロサンゼルス五輪への出場権を得た。

 開催国枠での出場だった2021年の東京五輪を除き、五輪開催の前年を待つことなく出場を決めたのは、1972年ミュンヘン五輪の金メダルにより1976年モントリオール五輪の切符を得て以来、実に54年ぶりのこと。1996年のアトランタ五輪以降3大会連続で出場を逃すなど長く続いた男子バレーの「冬の時代」はようやく過去のものとなったといえる。

9月のアジア選手権で2028年ロサンゼルス五輪の出場権を獲得 ©時事通信社

時代を変えた立役者は「やっぱりアイツなんです」

「すごい選手が増えてどんどん日本のバレーが明るく、強くなった」と話すのは現在、日本代表のミドルブロッカーとして活躍する小野寺太志だ。現在30歳の小野寺は、男子バレーの進化を肌身で感じてきた世代にあたる。

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 現在の男子バレーには、強烈なスパイク&サーブを誇る西田有志、攻守にわたる高次元のプレーでアジア選手権MVPを獲得した髙橋藍ら、20代のスターが続々と現れている。それでも時代を変えた立役者は、「やっぱりアイツなんです」と小野寺はきっぱりと語る。

「アイツ」とは、小野寺と同い年で、現在、代表の主将を務める石川祐希である。

石川祐希 ©時事通信社

 もともと石川は、星城高(愛知)時代にインターハイ、国体、春高を2年連続で総なめにする「六冠」を達成した立役者であり、代表への選出も鳴り物入りだった。小野寺は「また石川かよ、と思っていた時期もあったし、“石川世代”と言われるのが嫌な時代もあった」と嫉妬心もあったと明かす。しかし今では、そんな気持ちは雲散霧消した。

「僕らの世代で最初に日本代表へ入って活躍してきた石川の姿を見て、ずっと同じ舞台に立ちたいと思ってきた。でもいざ入ると世界トップの中では全然うまくプレーできない。置いて行かれないように必死だったし、今思えば常に僕は石川のことを追いかけていた。僕だけじゃなく、彼がチームに与えてくれた影響はものすごく大きかったと思います」