「親の希望を叶えたい」という想いから無理な在宅介護を選び、離職や生活の崩壊といった泥沼に陥ってしまうケースは少なくない。介護離職を防ぎ、親と自分の人生を守るために本当に必要な視点とは何なのだろうか?
NPO法人となりのかいご代表理事の新刊『介護前夜の教科書 親と自分の人生を壊さないための備え』(講談社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目)
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在宅介護が「最善の選択肢」とは限らない…
「親の希望を叶えて、最期まで自宅でみてあげたい」と願いながら、「どこまでやれば十分なのかわからない」「制度やサービスをフル活用すれば、最期まで在宅介護を続けることは可能なのか」と悩む方は少なくありません。
そんなとき、私はあえて率直に「たとえ本人が望んでいても、在宅介護が最善の選択肢とは限りません」とお伝えしています。物理的には可能かもしれません。親の希望をかなえてやりたい、と懸命に支えれば、家族の誰かが生活のすべてを介護に捧げることになります。
仕事を諦めざるを得ず、日常生活を維持することも難しくなるでしょう。介護のプロですら、自分の家族を自宅で介護するのは至難の業です。老いていく親の姿を目の前に、常に冷静でいられる人はいません。無理を重ねれば費用はかさみ、家族の自由と笑顔が奪われていくのです。
介護には「満点」がありません。まず守るべきは親ではなく、自分自身の生活です。その上で親をどう支えるかを考えることが大切なのです。無理な在宅介護を選んだために、出口のない泥沼に陥ってしまった家族の例をお話ししましょう。
