トラブルケース2:競合企業での副業を禁じられた

 私の会社は副業には届け出が必要です。IT関連の企業でプログラミング開発の副業をしようとしたら、禁止されました。副業先が競合他社だからという理由でしたが、副業はしないほうがいいですか?

解決策:競業避止義務に違反する可能性がある

 労働者が本業で培ったノウハウを活かして、起業したり、あるいは副業をしたりするのは、本業の勤務時間外であれば原則として自由です。しかし、就業規則に競業避止義務規定がある場合は気をつける必要があります。

 競業避止義務とは、在職中または退職後の従業員や役員が、自分が所属していた企業と同じ業務内容の会社を起業したり、競合他社で副業をしたりして、所属していた会社の利益を害してはならないという法的な義務のことです。

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 この規定は独自に開発した技術や顧客情報などの機密の漏洩を防ぐのが目的の一つです。

 競業避止義務に違反すると最悪の場合、解雇されたり損害賠償を請求されたりすることがあります。

 しかし、在職中に培った能力・経験を活用して退職後に起業、あるいは転職する自由は基本的に保障されています。

 そこで規定では起業、同業他社への再就職・転職に「合理的な範囲」での制限を設けることを認めています。

 これは、たとえば半年間は同業他社への転職・再就職、起業は禁止、また同地域内での起業は禁止など、その制限が合理的であれば禁止してもいいということです。

「合理的な範囲」での制限とは

写真はイメージ ©︎mapo/イメージマート

 しかし、再就職・転職は3年間禁止、日本全国での起業は禁止など、期間が長期にわたったり、範囲が広過ぎるなどの場合には、「合理的な範囲」を超えていると判断される可能性があり、そうなればこうした禁止は無効になります。

 合理的な範囲内での禁止と判断できれば競業避止義務に違反すると損害賠償請求をされる可能性があります。

 この「合理的な範囲」をどう定めるかは会社ごとに違いがありますが、会社が「合理的な範囲」だとしているものが、実際は不合理である場合もあるので、気になるようでしたら労働組合や弁護士などの専門家に相談するといいでしょう。

 また、同業の起業では自分の部下を引き抜いて入社させると不正競争にあたり、違法行為とされることがあります。ただし、このケースで部下が自分の意思で入社するのは自由で違反行為にはあたりません。

 自分の技術を活かそうとして、競合他社での兼業をするなら、競業避止義務違反にあたらないか、よく検討してからにしましょう。

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