「痩せすぎると男性っぽく見える」女装のための努力の数々
――普段から美容で気をつけていることもあるのでしょうか。
伊織殿 バンドに入った頃は肌荒れがひどくて、女の子の知り合いからスキンケア用品をもらったことがきっかけで美容に気を付けるようになりました。当時はメイクしたまま寝てしまうこともあり、どんどん肌の状態が悪くなって、「スキンケアって大事なんや」と気づいたんです。
それから10年以上、クレンジング、洗顔、化粧水、美容液、乳液は続けています。急に全部を変えるのは苦手ですけど、コツコツ続けることは得意なんですよ。
――以前の筋肉質だった男性の姿と、現在の女装姿を並べた写真は、ネットニュースでも話題になりました。写真で今の自分を見せるとき、どんな工夫をしていますか。
伊織殿 めちゃくちゃ考えています。たとえば、肩幅が目立たないように真正面は向かず、少し体に角度をつけます。細身の服を着るなら、下はゆったりしたものにする。女性らしく見えるように、所作も気をつけています。
体型も、痩せすぎると顔がこけて男性っぽく見えるので、ほどよく肉をつけながら、お腹まわりを引き締める運動を家でしています。ジムに通ったりするのではなく、自分なりに試しながら続けていますね。
――女装を続けてきたことで、周囲との関係に変化はありましたか。
伊織殿 やっくんと一緒にやり始めた頃は風当たりが強かったですよ。「何のために東京に行ったんや」と言われたり、友達から女装をしているというだけで「お前、男が好きやったんか」とドン引きされたり。
でも、15年くらい続けた今は、当時そう言っていた友達が「俺も女装したら似合うかな」「俺にもメイクしてや」と言ってきます(笑)。「あのとき馬鹿にしてたやん」と思いますけどね。
今は、男性をかわいい女の子に変えてくれる加工アプリもあるくらいですから、時代も変わってきたんだと思います。
一方で、家族は今も女装に否定的だと思います。僕の活動も見ていないんじゃないかな。それでも、僕はこれからも女装で活動すると決めています。もう生活の一部なので、たぶん生涯続けると思います。


