――今、配信にはどんな方が来てくれますか。

伊織殿 音楽を中心に活動していた頃は、ファンの9割くらいが女性でした。でも、女装で配信を始めてからは逆転して、YouTubeのデータを見ると視聴者の9割以上が男性です。40代から70代くらいの方が多いですね。

 以前、無言でチャットだけをする配信が急に伸びて、閲覧者が1万人、再生数も10万超えと驚くほど多くの人に見てもらったこともありました。

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 今は落ち着きましたが、それでも100人前後毎日配信を見に来てくれる方がいます。応援していただいたお金も活動資金になっているので、本当にありがたいです。今もアルバイトを続けながらですが、配信を楽しんでいます。

女装姿の伊織殿さん(写真=本人提供)

今年のやっくんの命日に、お墓参りで報告したいこと

――さまざまなことを経験した伊織殿さんですが、今は何を大切にして活動していますか。

伊織殿 やっくんとマネージャーの思いを引き継ぎたい気持ちは、今も強くあります。バンドで武道館に立ちたいという夢もありました。でも、今の自分の活動を考えると、その夢だけを目標にし続けるのは難しいとも感じています。

 だから今は、自分の人生を自由に楽しみたい。自分を一番大事にしようと思っているんです。誰にでも、その人にしかわからないつらさがあると思うので、自分をよく思っていない人と無理に関わることもしないようにしています。

©佐藤亘/文藝春秋

 全国を旅して、各地で配信を見てくださる方に会うことも、少しずつやっています。これから北海道から沖縄まで、もっと広げていきたいですね。

――やっくんの命日が近づいています(取材日は9月29日)。今年のお墓参りでは、どんなことを伝えたいですか。

伊織殿 最近、ふと思い出したんです。やっくんにはずっと「トークを磨け」と言われていましたし、マネージャーには「動画編集をしたらどう」と勧められていたなって。

 当時の僕はベースを始めたばかりで、曲も作れない。バンドの中で自分に何ができるんだろうと悩んでいたときで、マネージャーが、撮影したバンドの映像を編集してYouTubeに出してみたら、と言ってくれたんです。「それなら僕がやります」と編集を始めました。

 そして、やっくんに何度も注意された、一番苦手だったトークを、今はライブ配信で毎日のようにやっています。動画編集も続けている。二人の言葉が、気づけば今の活動につながっていたんですよね。

女装姿の伊織殿さん(写真=本人提供)

 だから今年は女装してお墓参りに行こうと思っています。普段はあまりそうしないんですけど、感謝の気持ちを込めて、今の自分の姿を見せたいんです。「やっくん、僕は今、配信でしゃべっているよ。動画編集も続けているよ」。そう報告したいです。

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伊織殿さんのYouTubeチャンネルはこちら:女装で旅する『いおりどの』

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記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。