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「お店の作業スペースも小さくなった」
「『湿気がひどくてマグロにカビが生える』開場目前の豊洲市場に不安の声が高まる」で指摘された巨大な除湿機は、築地からの引っ越し直前に撤去されていたという。
「除湿機については、都からの説明はありませんでした。豊洲市場は(流通段階で食品を低温に保つ)コールドチェーンの導入が目玉でしたが、実際にはあちこちで搬入用のシャッターを開けたまま作業しているので、外気が入ってきて意味がない。排水溝や通路の仕様なども私たちの意見が反映されないまま作られたので、いちいち使い勝手が悪い。お店の作業スペースも小さくなりましたし、これなら築地からわざわざ移転させられた理由がわかりません」(仲卸業者)
そうした声を知ってか知らずか、小池百合子都知事は開場の挨拶を行い、マグロの競りなどを視察した後、築地場内から移転した行列が絶えない人気店「大和寿司」を貸し切りにして舌鼓を打った。秘書やSP、村松明典市場長、築地市場協会の伊藤裕康会長らを引き連れた“知事御一行”の優雅な朝餉(あさげ)を知った仲卸業者は、「なんて能天気な……」と絶句した。
かつて防衛大臣としてアメリカを訪れた小池氏は、自らを「マダム寿司」と呼んで笑いを誘った。まずは市場を利用する人々の不安の声と向き合ってほしい。