警察が直ちに捜査を開始すると、リャンの連絡帳に記された名簿から、その交友関係は「天上人間」の常連客である中央・地方の高級幹部、実業家にまで及んでいたことがわかる。

 当時「天上人間」は北京の夜の象徴であり、政財界の接待の場としても知られていた。

 ほどなく、有力な容疑者が浮かぶ。

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2人の容疑者

「天上人間」元従業員のワン・ダーウェイ(当時20代前半)とその従兄弟。ワンはリャンと親密な間柄にあり、彼女から毎月2万元の生活費を受け取っていた。

 しかし、ギャンブルにのめり込んだことで多額の借金を抱え、リャンに金を要求。

 事件の約1ヶ月前に、彼女のほうから関係を切った。これに対して、ワンが激怒していたという証言があり、事件発覚前夜の11月12日に従兄弟とともにリャン宅に入る姿が監視カメラにより確認され、現場からはワンの指紋も採取された。

 しかし、警察が本格的な逮捕に動く直前、ワンと従兄弟は外交関係のない中米ホンジュラスへ渡航。国際捜査で追及していたところ、2006年ごろ、現地で2人が殺害されたという情報が入った。

 現地ギャングによる犯行だったようだが、リャン殺害事件との関連は不明のまま。容疑者の死により、直接的な物的証拠が得られず、捜査は大きな壁にぶつかった。