外資系コンサルティング会社に勤務しながら、芸能事務所に所属してアイドルを目指すトランス女性のさらしな叶夏さん(22)。インフルエンサーとしても活動する彼女は、かつて体重が100キロを超え、ヘルニアに悩まされた過去を持つ。
総額1200万円を投じたという数々の整形手術、そして彼女の人生を大きく動かした同級生との純粋な恋愛。驚くべき変貌の裏には、壮絶な努力と揺るぎない決意があった。
中学時代、「毎年10キロずつぐらい太っていた」というさらしなさん。中学1年生で70キロだった体重は、3年時には90キロに達した。運動習慣はなく、食べることが生きがいだったという。給食も2、3回おかわりするほどで、両親も体が大きかったため、家族みんなでよく食べる家庭だった。
そして高校1年生で、体重はついに100キロを超える。「学校の椅子が体重に耐えきれず、何回か壊れてしまって」と当時を振り返る。ついにはヘルニアを発症し、入院を余儀なくされた。これを機に、母親から1日600キロカロリーという極端な食事制限を課され、4か月で約20キロの減量に成功した。
高校では自身のセクシュアリティについても、「自分が性別的に女の子だと思う」と堂々と言える環境にあった。そんな彼女の人生の転機となったのが、高校2年のときに交際していた同級生の彼氏の存在だ。入学式のときから惹かれていたサッカー部の男子で、彼の気を引くためにマネージャーになったという。生物学的には男性で、女性になりたいという気持ちもすべて理解した上で、彼はさらしなさんに好意を寄せてくれた。
その彼から「お前は愛媛(地元)に収まる器じゃない。東京へ行こう」と言われたことが、上京を決意する大きなきっかけとなった。
高校卒業後、東京理科大学へ進学。しかし、上京後の解放感からか、食生活が乱れ、体重は100キロまでリバウンド。一時はマックスで120キロにまで達した。
最終的に52キロまで減量
大きな変化の引き金となったのは、大学2年生のときに行った二重の埋没手術と顔の脂肪吸引だった。費用は約30万円。プチ整形のつもりだったが、「こんなに変わるんだ!」とその効果に衝撃を受けた。純粋に「かわいくなりたい」という思いから踏み切った手術が、彼女を女性になる道へと突き動かす。
手術の翌日、顔にバンドを巻いたまま授業に出席すると、友人たちは驚きを隠せなかったという。しかし、さらしなさんは「かわいくなりたいから整形したんだよね」と正直に打ち明けた。その反応は好意的で、これを境に彼女の変身は「アクセル全開」となった。
同時期にダイエットも本格化させる。YouTubeで見つけたダイエット専門クリニックに通い始め、サクセンダなどのダイエット薬を併用。大学1年の後半から2年の前半にかけ、月10キロのペースで体重を落とし、最終的に52キロまで減量した。約68キロもの激痩せに、周囲からは「病気じゃないかと心配された」ほどだった。
その後も、輪郭手術や声帯手術など、美を追求するための投資は続き、整形の総額は1200万円にのぼった。費用は、高校時代から将来のために貯めていたお金と、時給6000円の家庭教師のアルバイト代で賄ったという。さらに大学2年の2月からはホルモン治療も開始。身体的な変化よりも、「気持ちが落ち着くようになった」と精神面での効果が大きかったと語る。
凄まじい努力の末に、理想の姿を手に入れたさらしなさん。その後、彼女は性別変更のために裁判で争うことになったが、そこで待っていたのは意外な結果だった。
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