アメリカ現地時間の11月3日に実施される中間選挙。そもそも中間選挙とは何なのか? 共和党が議席を減らし、敗北した場合はどうなるのか? 中間選挙を現地で取材するジャーナリスト・池上彰氏がわかりやすく解説した9月17日配信の「週刊文春 電子版」記事を無料公開します。
中間選挙とはどのような選挙なのか?
アメリカでは今年11月3日の火曜日に中間選挙が実施されます。このところ、このニュースが多くなり、トランプ大統領の支持率が下がっていることと合わせて話題となっています。では、そもそも何が中間なのか。今回は、ここから説明しましょう。
アメリカでは大統領選挙が4年ごとに行われます。前回は2024年でしたので、次は2028年ですが、その中間に実施される選挙なので、この名前があります。この選挙は連邦議会議員の選挙です。
アメリカの議会は上院と下院に分かれています。上院議員は州代表の立場。各州の代表は2人で50州ですから計100人です。任期は6年。これは日本の参議院議員と同じですね。
一方、下院議員は国民の代表という立場なので、人口に比例して各州から選出され議員の数が割り当てられます。全米で435人です。たとえばアラスカ州は1人、ハワイ州は2人という少人数のところもあれば、カリフォルニア州は52人、テキサス州は38人で、いずれも小選挙区です。
任期は2年なので、日本の衆議院議員の4年よりはだいぶ短いですね。ただし、日本の衆議院のような解散はありません。任期があまりに短いので、目先のことばかりを考えてしまい、長期的な視点で考えることができないという批判もありますが、そこは任期6年の上院議員がカバーするということでしょう。
では、そもそも上院、下院という上下はどこから来たのか。上院の正式名称は「元老院」です。これは、古代ローマの名称に由来します。一方、下院は「代議院」です。かつてアメリカの首都がフィラデルフィアにあった頃、2階建ての建物を議会として使用しました。その際、議員数の多い代議院が1階部分を、議員数の少ない元老院が2階部分を占めたことから、この名前で呼ばれるようになったと言われます。
一般的に下院議員は若く、上院議員はベテランが多い傾向にあるので、上院議員から大統領選挙に出馬する候補が多いという特徴があります。
下院議員の選挙は2年ごとに実施されるので、大統領選挙と同時に実施された後は、2年後に選挙。つまり今年の11月に実施される中間選挙というわけです。
上院議員の選挙もそれに合わせて、2年ごとに3分の1ずつ改選されます。100人を3分の1ずつ改選するわけですから、33人を改選する年と34人を改選する年があります。今回は欠員の分も選挙するので、計35人を選びます。
中間選挙は、よく「大統領の通信簿」と呼ばれます。大統領の評価が高ければ大統領の与党が議席を増やし、評価が低ければ議席が減る傾向にあるからです。
実際には、共和党の大統領が選ばれた後の中間選挙では民主党が議席を増やし、民主党の大統領が選ばれると共和党の議席が増えるという傾向があります。
