病院側からは「事故調査委員会の結果が出ない限り、何も答えられない」と伝えられたという。

病院の対応に不信感を募らせた遺族は、民事訴訟に踏み切った。

6月にまとまった調査報告書は、「追加の検査は必須ではなかったが、要否を検討する余地はあった」と指摘した。

ADVERTISEMENT

しかし、裕さんの妻は、今も夫の「死」を受け止められていない。

 

妻:
ご飯の量とか、作る量とかも分からないんですよね、いまだに。本当に、早く帰ってきてほしいな、と思います。

病院は取材に対し、「和解協議を行っている」と回答した。

人工呼吸器用チューブの誤挿管

群馬県館林市の22歳の大学生。

去年11月、肺炎で太田記念病院に緊急入院したところ、突然、意識不明となった。1年近くたった今も意識が戻らないまま、自発呼吸もできない状態にある。

 

父親は当時を、こう振り返る。

父:
(病院から)電話かかってきて、息子の「心臓が止まりました」ということで「は?なんで?なんで?」

人工呼吸器用のチューブを「気管」ではなく、誤って「食道」に挿入されたという。

父:
「おそらくもう、低酸素脳症になっていると思います」ということを言われて…

なぜミスが起きたのか、家族は詳しい説明を求め続けてきたが、病院側は「内部で確認中」などとして、明らかにしなかったという。

 

家族は10月、当時の病院関係者を刑事告訴した。

病院側は10月、初めて家族に対し説明会をしたが、「誰」が「どの時点」でミスをしたのか、肝心な情報はなかったという。

父:
11カ月かかって、きょう(の説明)なんで。透明性はあるとは全く言えないですね。

 

刑事告訴を受けて、病院は「院外にて調査継続中のため、現時点での回答は控える」としている。

医療データ開示する病院も

医療事故の度に起きる、「情報開示」の問題。

 

過去の失敗を教訓に、患者との向き合い方を根本的に変えた病院がある。

2014年に発覚した群馬大学医学部附属病院の患者死亡事故。1人の外科医が行った腹腔鏡手術で8人が死亡し、社会に衝撃を与えた。