「中本はもういいかな」と思った翌日……
これが蒙古タンメン中本の本店だとは知らずに、私達は吸い込まれるように店内へ。メニューには『人気No.1』と書かれていた中本の看板メニュー【蒙古タンメン】を注文。
蒙古タンメンは当時の私には辛すぎて完食できなかったと記憶しています。上にかかっている麻婆豆腐がとにかく辛い、食べながら汗だくです。この辛苦い経験が中本との出会いです。即死的なトラウマは免れましたが「中本はもういいかな…」というのが正直な感想でした。
次の日、とても不思議な体験をしました。なんでもない時にフラッシュバックの様に前夜の蒙古タンメンを思い出すのです。辛くて完食できなかったはずなのに、ヨダレが口に中にしみ出てきます。
「まさか俺…食べたいのか?」
私が中本にハマるまで、時間はかかりませんでした。
はじめての中本であなたに食べて欲しいメニュー
長くなりましたが、ここからが本題。はじめての中本でどのラーメンを注文するかです。中本のメニューを見ると『人気No.1メニュー』と、私が食べきることができなかった蒙古タンメンを勧めています。
ここが落とし穴なのです。
はじめて行ったお店では一番人気のメニューを注文したくなるのが客心理ってヤツですよね。しかし蒙古タンメンは一番人気のメニューであって、一番最初に頼むメニューではないのです。
では、なにを?
絶対に【味噌タンメン】です。
旨そうでしょう。 味噌ベースであっさりした中にコクがあるピリ辛スープ。モチモチな麺の上には煮込まれてクタクタになった野菜と豚肉がドサっと。
味噌タンメンなら辛さが苦手な方でも美味しくいただけると思います。
蒙古タンメン中本二代目店主・白根誠さん曰く「味噌タンメンに足し算、掛け算をして中本の色々なメニューがあるんだよ。味噌タンメンが中本のルーツなんだよね…」と。
以前、白根さんに「人生最後に中本のラーメンを食べるなら何を食べますか?」と聞いたことがあります。白根さんは悩み抜いた末に「味噌タンメン」とおっしゃっていました。
中本のルーツとなるラーメン、それが味噌タンメン。
中本の全てを知り尽くした店主が人生最後に食べたいラーメン、それが味噌タンメンなのです。
さあ、辛さの先の幸せへ
今、風邪を引いている方はいませんか?
白根さんは「味噌タンメンを食べたら風邪が治るんだよ!!! ホントだからね!!」と力説していました。味噌タンメンは風邪薬にもなるようです(おそらく医学的根拠はありません)。
もし味噌タンメンでも辛いと思われた方は、騙されたと思って何度か通って食べてみてください。辛さって身体が慣れるんですよね。これは辛いモノが苦手だった私が実証済みです。
その辛さの先には幸せしかありません。旨辛いラーメン、つけ麺、丼モノが待っています。
辛いという字に漢字の一を足したらどんな文字になりますか? 中本は『辛』さに、『一』手間くわえて、いつも私達を『幸』せにしてくれます。
あなたに幸あれ。