文春オンライン

杉村太蔵が語る“相場観”「僕はテレビのギャラ交渉が大好きなんです」

薄口政治評論家・杉村太蔵さんインタビュー#3

note

1人でやっているからこそメールは早く返す

―― 『サンジャポ』に2010年に出た後、芸能事務所からオファーが殺到しませんでした?

杉村 うん、最初ね。殺到というほどではないですけど、少しお声がけをいただきました。でも僕はもともと、証券会社で部長の秘書でもあったんですよ。スケジュール管理とか経理とか事務職がスペシャリストのようにすごく上手なんです。

 

―― 杉村さんからはメールもすごく早く返ってきます(笑)。

ADVERTISEMENT

杉村 文章が短くてもね。なるべく返信を早く。それはなぜ早くできるかと言ったら、自分でやっているからです。自分でその場で判断できるから。企画やスケジュールを見て、行ける、行けない。この日だったらOK。こういう状況ですけどどうですかと。良ければやりましょうということですね。1人でやっているからこそ返信を早くしようというのがある。返信が遅いといやじゃないですか。

「ボールペンに1品足す」工夫が重要だ

26歳のとき証券マンから国会議員に転身した ©文藝春秋

―― 杉村さんの話ですごく好きなのが、「ボールペンを持ってこいと言われたときに、1品増やす」という。

杉村 ボールペンを持ってこいと言われたら黒を1本だけ持っていっちゃうけど、それじゃダメだと。赤、黒、青、3色のボールペンにメモ帳を持っていけと。何か1品加える工夫ができるかどうかは大事だと。

―― それは、いつ頃からそういうことをお考え始めたんですか。

杉村 やっぱり大学を中退して何もないのに証券会社に拾ってもらった。そのとき最初、契約が1カ月更新だったんですよ。毎月、毎月、どうやったらクビにならないかって、そればっかり考えてました。少しでもお役に立とうということばっかりやっていましたね。

―― ボールペンの話というのは、教えられたんですか。それとも自分で考えたんですか。

杉村 自分です。やっぱり何か喜んでもらうという思いを持ってやるというのは大事なことだなと思って。ほんとに必死でした。食べていくのに。クビにならないために。それが結果的に良かったのかもしれませんけど。