池上彰さんの連載「WEB 悪魔の辞典」では、政治や時事問題に関する用語を池上さん流の鋭い風刺を交えて解説します!
【新入閣・しんにゅうかく】
当選回数を重ねた与党議員が期待する晴れ舞台。素人ぶりが発覚する危険も。
【池上さんの解説】
自民党の衆議院議員の場合、当選回数が5回を超えると、本人も周囲も「そろそろ」と思い始めます。大臣になれるのではないか、というわけです。
当選回数が5回から6回ともなりますと、もはやベテラン。国会議員になった以上、せめて大臣を経験したいと思うようになるからです。
衆議院総選挙の後の組閣や内閣改造が近づきますと、“適齢期”の男性議員はモーニングを新調し、女性議員は新しいドレスを購入して、「そのとき」に備えます。そういえば、今回の内閣改造では、唯一の女性閣僚となった片山さつき議員がドレス選びをする映像がテレビで流れました。「女性議員ならドレスを新調」という発想の安易なテレビ取材には驚きますが、それに嬉々として応じるのも、いかがなものでしょうか。と思っていたら、片山議員は“文春砲”によって、別の件で大きく取り上げられましたが。
初めて入閣すると、就任記者会見に臨みます。ここで、「この分野に関しては素人でございますが」とコメントする議員がいることには吃驚します。謙遜であればいいのですが、本心だったりするのですから。こういう議員には、野党やマスコミから「失言をするのではないか」という“期待”がかかります。
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