Appleから11月7日、新型のiPad Proが発売されました。11インチと12.9インチ、2つの画面サイズがラインナップされています。
2010年に誕生したiPadは、これまで何度かにわたってモデルチェンジを行なってきましたが、今回のiPad Proはその中でも最も大きな、文字通りのフルモデルチェンジに当たります。製品ページには「変えていないのは名前だけ」というキャッチコピーが踊っていますが、実機を手に取って使ってみると、まさしくその通りであることがよくわかります。
ここでは、今回の新型iPad Proが従来から変わった点と、それによって使い勝手などにどのような影響を及ぼすかについて、3つのポイントに絞って紹介します。
(その1)ホームボタンがなくなって何が変わった?
新しいiPad Proでは、iPhone X以降に搭載されている顔認証機能「Face ID」を採用したことで、指紋認証機能「Touch ID」を含むホームボタンは姿を消しました。これにより、前面がまるごとスクリーンといっていいデザインに生まれ変わりました。
その結果、12.9インチモデルは、ボディが縦に約1.5cm、横も約0.5cmも小さくなりました。また11インチモデルは、従来の10.5インチモデルとほぼ同じ大きさながら、スクリーンだけがひとまわり大きくなっています。ホームボタンの廃止が、ボディの小型化およびスクリーンの大型化につながったというわけです。
iPhone Xのデザインとはここが違う
ただし前面まるごとスクリーンと言っても、ベゼルの幅は上下左右とも実測9mmとそれなりで、iPhone XやiPhone Xsのようにベゼルレスと呼ぶには無理があります。また従来の10.5インチモデルに限っては、左右ベゼルが実測6mmとスリムだったため、11インチモデルになって逆にベゼルの幅が広くなってしまっています。
ベゼルがそれほど細くないのは、ベゼルの中にフロントカメラを収める必要があったからだと推測されます。iPhone XやXsでは、フロントカメラはノッチと呼ばれる画面上部の黒い出っ張りに収められていますが、今回のiPad Proはノッチと同じ幅のベゼルを上下左右に搭載し、そこにフロントカメラを内蔵するというアプローチを取っています。ノッチがないため見た目はすっきり見えますが、ベゼルそのものは残さざるを得なかったというわけです。ベゼルの色は黒なので、これまで白ベゼルに慣れていた人からすると、かなり圧迫感を感じます。
ちなみにiPhone XやXsの場合、Face IDでロックを解除する時は必ず本体を縦向きにする必要がありますが、今回のiPad Proでは横向きでもFace IDでのロック解除が行なえます。iPad Proは横向きで使う機会が多いだけに、ここはさすがにきちんと工夫してきた印象です。もっとも、うっかり手で塞いでいてエラーが出ることもしばしばなのですが……。