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(その3)「ライトニング端子」じゃなくなって何が変わった?

 今回のiPad Proでは、これまでのLightning端子ではなく、Androidスマホなどに採用が進みつつある、USB Type-C(Appleの呼び名はUSB-C)端子を採用したことも大きな変更点の一つです。このことは単に「充電ケーブルのコネクタ形状が変わった」「充電ケーブルをAndroidスマホと共用できるようになった」というだけでなく、拡張性がケタ違いに広がったことを意味します。

USB-Cコネクタ(左)と従来のLightningコネクタ(右)。メーカー独自ではない世界共通コネクタを採用したことで、普及も一気に進む可能性が高まります

 具体的には、キーボードやマウス、ディスプレイ、ハブなどさまざまな周辺機器を接続したり、デジカメをつないで画像を転送したりと、従来では考えられなかった組み合わせが可能になります。なにせUSB Type-Cは世界共通規格ゆえ、すでに多数の製品が存在しており、その組み合わせは無限大です。現状ではすべての機器が動くわけではないようですが、今回のiPad ProでのType-C採用を受けて、さらなる対応デバイスの登場は確実で、今後が期待できます。

iPadでAndroidスマホを充電できる!

 ちなみに、今回のiPad Proを入手したらまず試したいのが、iPad Proからスマホなど他のデバイスへの充電です。今回発売になった11インチモデルは29.37Wh、12.9インチモデルは36.71Whのリチウムポリマーバッテリーを内蔵しており、これは8000~10000mAhクラスの大容量モバイルバッテリー1個分に相当します。

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 そのため、付属の両端USB-Cのケーブルを使ってAndroidスマホを接続すれば、iPad ProからAndroidスマホへと、充電が行えてしまいます。いざという時はiPad Proから給電することを前提に、モバイルバッテリーを持ち歩かないケースも、これからはかなり増えてくると予想されます。ただし機器によっては、充電するつもりが逆向きに充電される場合もあるので、充電開始時にきちんと確認したほうがよさそうです。

USB-C採用のiPad Pro同士を接続し、充電を行うこともできます。どちらが充電される側に回るかは運次第?

(結論)新しいiPad Proは買い?

 久々のフルモデルチェンジとなった新しいiPad Proは、性能・使い勝手ともに激変しており、しばらく同じモデルを使い続けてきた人は、買い替えに踏み切るよいタイミングでしょう。1TBのモデルはメモリが6GBと、ほかの容量のモデル(4GB)より多めに搭載されているため、性能を最優先に考える人は狙い目です。

 ただ、当然というべきか、価格はお高めです。もっとも安価な11インチの64GBモデルでも89,800円(税別)、最も高い12.9インチの1TBモデルでは、194,800円(税別)と、手軽に手を出せる価格ではなく、さらに保証や外部キーボード、ペンなどをつけるとプラス数万円の出費となります。つまり性能だけではなく価格までも高性能PC並というオチで、このことが買い控えにつながるケースは多そうです。

 ともあれ、店頭でうっかり新しいモデルに触れると、従来のモデルが非常にやぼったく見えてしまう症状は、これまであったiPadシリーズの中でも顕著です。当面買い替えの予定がないユーザは、店頭でうっかり触って決心が揺らいでしまわないよう、細心の注意が必要と言えそうです。