きょう11月14日は、世界糖尿病デー。日本でも各地で糖尿病予防運動のシンボルカラーの青でライトアップされたり、関連イベントが企画されているそうです。
「おしっこが甘くなる⁉」 なぜ血糖値が高いとダメなのか
私は約20年にわたり医療の取材を続けてきましたが、多くの人の健康を守るには、とにかく糖尿病(生活習慣が原因で引き起こされる2型糖尿病)を予防・改善することがとても重要だと考えるようになりました。
みなさんは、糖尿病がどのような病気か、きちんと理解されていますか。なんとなく、「血糖値が高いとよくない」「おしっこが甘くなるらしい」ことは知っていても、詳しくは知らないという人が多いのではないでしょうか。
なぜ血糖値が高い状態が続くとよくないのか。それは、ブドウ糖の濃度が高すぎると血管が傷つけられて、ボロボロになるなどして、さまざまな病気(合併症)が引き起こされるからなのです。
「しめじ」と呼ばれる「3大合併症」
まず、知っておくべきなのが、「3大合併症」と呼ばれる「神経」「眼(網膜)」「腎臓」の障害です。糖尿病になっても、初期には自覚症状はありません。しかし、放置していると、徐々に症状が現れます。この順番で出てくるので、よく「しめじ」と覚えましょうと言われています。
最初に、糖尿病になって3~5年後に出るのが「糖尿病神経障害」です。両足の指先がビリビリしびれたり、足がつったりします。なぜ、これが怖いのかというと、痛みの感覚が鈍って、ケガをしても気づきにくくなるからです。
糖尿病になると感染症にかかりやすくなり、血行障害も起こります。そのため、傷が治りにくくなり、潰瘍化してしまいます。そして最後には、組織の一部が腐る「壊疽」を起こし、足を切断せざるを得なくなります。この壊疽によって、なんと毎年1万人が下肢を切断しています。