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BTSの行動は「浅はかだった」に尽きる

 さて「政治と音楽」の関係でみると、今回の問題はきわめて扱いづらい。というのも、BTSの行動があまりにチグハグだからだ。

 BTSが明確に政治的な意図をもって、反日やナチス肯定を歌っていたならば、まだ理解しやすかった。愛国ソングなどと同じく、たやすく批判的に検証もできただろう。だが、今回のケースはこれに当てはまらない。

 一方、政治的な意図はなくても、ビジネス的な動機から政治的な歌が歌われることもある。時局に便乗して、ナショナリズムを煽るなどがそれである。ただ、今回はこれも当てはまらない。

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国連総会で演説するBTS ©︎AFLO

 そもそも韓国の音楽グループは、自国の市場が小さいことから世界を目指すことが多い。そんなかれらにとって、反日やナチス肯定はビジネス的にマイナス以外のなにものでもない。

 つまり今回の騒動は、イデオロギーやナショナリズムの路線でも、ビジネスの路線でも、チグハグなのだ。BTSの行動は「浅はかだった」に尽きるのであって、「政治と音楽」の問題で考えるに値しないのである。