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オフは最後の稽古を、やりたいな……
「ゴルフを追求していくことしか、自分にはできないわけだから。そういった意味ではね、クラブ置くのは簡単だけど。なんかの目的に向かって、歩いていくということをしないと」
尾崎はかつてゴルフを「修行」にたとえていたことがある。つまり、スポーツとはとらえていない。修行に「引退」がないように、尾崎のゴルフにも終わりがないのだ。
しんどくなればなるほど、それでも自分に重荷を負わせるのが修行であるように、勝てなくなればなるほど、体が動かなくなればなるほど、尾崎は自分にゴルフを課しているようにさえ映る。
ただ、尾崎は自分に対する批判があることは十分過ぎるほどわかっている。
「JGTOから、いつ“引退命令”がくるかわからないからね。オフは最後の稽古を、やりたいな……って」
最後の稽古という言葉をとらえられ、報道陣から「来シーズンが最後ということですか」と問われると、尾崎はこう言ってお茶を濁した。
「そら、もう、それぐらいの覚悟でやらなければいかんだろう」
尾崎が「今年が最後か」と思わせるような発言をしたのは一度や二度ではない。来年、尾崎が、今年以下の成績しか残せず、それでもなお現役続行を宣言したとしても、驚かない準備だけはしておかなければならない。