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元アイドリング!!!遠藤舞の告白「25歳がアイドルの限界だった」

遠藤舞さんインタビュー#1――アイドル戦国時代を振り返る

2018/11/25
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23、24歳で甘酸っぱい恋愛を歌う違和感

――ビルボードライブ東京で行ったソロライブあたりからグループで活動していくなかで、「ひとりで歌っていきたい」と思うようになったんですか?

遠藤 「ひとりでやっていける」と思ったことはなくて。ひとりでやれるような器じゃないけど、アイドルグループに長くいることはできないという葛藤がありました。10歳近く下の子と同じ衣装を着て、同じ内容の歌詞を歌うことに大人として違和感があったんです。23、24歳の年齢で中学生に当てはまるような甘酸っぱい恋愛を歌っても説得力がないんじゃないかって。グループにいることと自分がいるべき場所の乖離を感じたので、25歳が限界だろうなと思っていたんです。

――それで25歳での卒業を決めた。

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遠藤 本当はもっと早く卒業したくて打診していたんですけど、すぐに抜けられるようなポジションではなかったので、あのタイミングになりました。もっと若くからはじめていれば、ああいった曲を楽しく歌えていたんでしょうけど、私は頑固で意固地で面倒くさい人なので、言ってることとやっていることが違うとイライラしてしまうんですよ。ただ、活動全体としては楽しい瞬間のほうが全然多くて。とくに、みんなと「面白」を追求することはなんて楽しいんだろうと感じていました。

――「面白」を追求するチームプレーがあったと。

遠藤 そこにやりがいを感じていたんです。ライブのMCでも、どうやってトークを転がしていこうか一生懸命考えてましたから。このメンバーに振ったら隣のメンバーが突っ込んで、と膨らませていって、最後にドカンと突き抜けた瞬間がめっちゃくちゃ気持ち良くて。私にとっては快楽でした。

「私がこうボケるから、こうツッコんで」

――事前にメンバー同士で打ち合わせをしていたんですか?

遠藤 「私がこうボケるから、こうツッコんで」という話はしてました。ライブの台本って割とアバウトなんですよ。たとえば2曲歌い終わった後、「〇〇ちゃんどうでした?」と書いてあるんですけど、それが嫌いで。「どうでした?」と聞かれても当たり障りないことしか答えられないし、お客さんも聞き飽きていると思っていたので、途中から「私はこう話すから」と細かいところまで打ち合わせするようになったんです。

――セトリや衣装は与えられる部分はあるけど、MCは自由度が高かったんですね。

遠藤 そこにクリエイティブが発生していたんだと思います。

 

――実際、アイドリング!!!のライブは、バラエティ要素とライブが上手く融合している時が面白かったです。

遠藤 そう思っていただけると、我々としては感無量ですね。ING(アイドリング!!!の後継ユニット)のMCがつまらないとヤキモキして教えたくなります(笑)。その子の発言が跳ねた時、何を言ったのか、なんで跳ねたのか、何回目で飽きられたか、覚えて記録していかないといけなくて。MCは一番頭を使うんですよ。INGの子たちには「歌やダンスを頑張っているけど、一番難しいのはMCだから練習や打ち合わせが必要だよ」と口酸っぱく言ってますね。

――アイドリング!!!のMCが面白いのは、番組で鍛えられていただけじゃなく“レシピ”があったんですね。

遠藤 ある程度はありましたね。MCって追求すればするほど奥が深いことが分かってくるんですよ。ふざけながら真剣に考えてました。だからさかっち(酒井瞳)とか、MCをクリエイトしてきたメンバーとはいまでも仲がいいんですよ。

写真=川しまゆうこ

#2へ続く)

えんどう・まい/1988年生まれ。2006年からアイドルグループ「アイドリング!!!」に所属、リーダーを務める。2014年にグループを卒業、ソロ活動開始。2017年、芸能界引退。現在は女性向けのボイストレーナー、レコーディングの仮歌などで活躍。

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