2006年にグループと同名のバラエティ番組から生まれたアイドリング!!!でリーダーを務めた遠藤舞さん。アイドルグループが多数誕生した「アイドル戦国時代」の頃にはAKBとコラボし、BABYMETALと同じステージに立つ。
そして25歳でアイドルを卒業。その3年後に芸能界から引退した。そんな遠藤さんに“アイドル卒業後”とセカンドキャリアについて聞いた。(全2回の2回目/#1より続く)
◆
AKBだって同じフィールドでやってる子たち
――2009年1月にはAKB48とのコラボ企画としてAKBアイドリング!!!がありました。握手会で谷澤恵里香さん(アイドリング!!!)がAKB側の列の長さにへこんだという話を覚えてますが、AKBが握手システムをすでに確立していたという面もあるにせよ、何か感じることはありましたか?
遠藤 まぁ、よそはよそ、ウチはウチでしたね。人に合わせたり、みんなと同じことをやりたいと思うほど無意味なことってないんですよ。人生を俯瞰で考えると、人と比べても仕方ないじゃないですか。
――もちろん対抗意識もなかったと。
遠藤 アイドリング!!!が結成された当初、「アイドルリング」で女の子9人がCDデビューを懸けて争うというコンセプトだったんですよ。だから、最初の顔合わせではおそらくライバル意識があったと思うんです。結果、そういう番組ではなくなったけど、どこかバチバチした空気を察したのか、塩谷亮さんが「この狭い世界でライバルを意識して、誰かが1位になったところでしょうがない。だったら9人で団結して上を目指したほうがいいんじゃないか」と言ってくれて。それで私たちのスタンスが変わったんです。だから、AKBだって同じフィールドでやってる子たちで、敵視することはないと思っていたんです。
BABYMETALの水野由結ちゃんは姪っ子のような感覚
――他のグループに対しても同じスタンスでした?
遠藤 そうですね。よく「ライバル視しているグループはありますか?」とか「ここには負けたくないと思うグループはありますか?」と聞かれることがあったんですけど、いつも答えに困って。たとえばバニラビーンズは同年代だけど、グループの色はまったく違うし、張り合ったところで何も生まれないと思うんです。だったら、仲良くしていたほうが面白いじゃないですか。
――2010年以降、グループアイドルの結成が相次いで、その象徴がTIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)だと思います。
遠藤 自分たちがバラエティに中心でやってきたので、コンセプトに合った衣装を着て、キャッチーな自己紹介をしてるグループには「本物のアイドルだ!」と思ってました。そんな正統派もいる一方で、私たちよりぶっ飛んだ子たちもいて。フィールドは一緒だけど、もはや異文化コミュニケーションというか、肩書きはアイドルだけど、多種多様な人たちがいることが面白いなと思っていました。
――それこそ自分より若い子も多いわけですよね。
遠藤 そうそうそう。BABYMETALの水野由結ちゃんなんて。小学生の時から知っているからかわいくてしょうがない。1年ごとに会うたびに大きくなっていて、成長を見る喜びがあるんですよ。同じ業種としてではなく、姪っ子を見ているような感覚でしたね。