1ページ目から読む
3/4ページ目

「カネ」の問題には……

桜田義孝 五輪担当相
「法の規定に違反していないかの確認が十分でなかった」

朝日新聞デジタル 11月21日

 桜田氏の問題は大臣の資質、失言、珍言にとどまらない。政治資金規制法は1回のパーティーで一つの団体から受け取れる上限額を150万円と規定しているが、桜田氏の事務所は昨年5月の政治資金パーティーで一般社団法人「国家ビジョン研究会」から200万円を受け取っていたことが明らかになった。

 200万円を支払っていた「国家ビジョン研究会」とは、「縄文時代以来、自然との共生の中から刷り込まれてきた、日本人のアイデンティティーが共有する、『自然の摂理』を基層に秘めた日本文明の哲学を基本理念とする」団体である(ホームページより)。

ADVERTISEMENT

人の住めなくなった福島に……」過去の失言・珍言は?

桜田義孝 五輪担当相
「(放射能汚染されたごみの焼却灰は)人の住めなくなった福島に置けばいいのではないか」

時事ドットコムニュース 10月5日

2007年の衆院厚生労働委委員長時代の桜田義孝氏 ©共同通信社

 桜田氏のもっとも有名な失言がこちら。文部科学副大臣だった2013年の頃のものだが、「復興五輪」としている東京五輪の五輪担当相にこんな発言をした人物を任命した政府と安倍晋三首相は何を考えているのだろうか?

 桜田氏の入閣について、政治ジャーナリストの田崎史郎氏は「二階派の二階俊博幹事長からの要望があって入閣させたというのが経緯です」「過去の桜田さんの発言から見て危うい…だから比較的答弁回数の少ない東京オリンピック・パラリンピック担当大臣にしたわけです」と解説する(FNN PRIME 11月8日)。もし本当にそうだとしたら、五輪担当相の仕事が軽く見られているというなのではないか。

 ジャーナリストの池上彰氏も二階氏からの要望があったのではないかと推測し、「適材適所ならぬ当選回数至上主義と派閥の弊害が表面化しました。こうした問題点を国民に知らしめるという点では“適材適所”だったのでしょう」と皮肉った(文春オンライン 11月19日)。

桜田義孝 五輪担当相
「(従軍慰安婦は)職業としての売春婦だった。犠牲者だったかのような宣伝工作に惑わされ過ぎだ」

日本経済新聞 2016年1月14日

 こちらもよく知られた失言。後に「誤解を招くところがあった」と発言を撤回したが、誰も誤解なんかしていないし、桜田氏も自身の考えを曲げることはないのだろう。