身の回りに、上場企業の経営者とか、それなりに評判の弁護士や公認会計士なのに、下半身がだらしない人たちというのがたくさんおります。いい歳となり、その高い地位にいる男が、いったい何をしているのでしょう。生涯一穴主義の私からしますと不純な動機で何をそんな若い女性にうつつを抜かしているのか理解できないよという事例がゴロゴロしておるわけです。妻子もいての火遊びというのは、そういうリスクをリスクと思わない成功した男たちからすると屁でもないことなのでしょうか。

大人がやらかす問題とエリートの劣化

「バレなければ何をしてもいい」というのは、罪深い感情だと思うんですよ。その根底には、他人はともかく自分はうまくやれる、相手が知らなければ不快とされることや脱法的なことも構わないのだ、という気持ちがあるのかなとか感じてしまいます。そういうややこしそうな話を見つけるたび、見たがりの家政婦や砲塔を持った週刊文春記者が紛れ込んで大爆発大炎上することになるわけですけれども、どうしてこう、懲りないのでしょうか。

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 それも、官公庁向けの事業で多大な信頼を得て人手不足ニッポンの労働産業を担う大物人事系企業の偉い人がよろしくない薬剤を大量摂取したのか不相応に若い秘書とラリっているのが繁華街で目撃されて問題になっていたり、社会人向け教育に乗り出して手広くベンチャー投資をやり高い人望を集めている偉丈夫が妙齢な女性のハイレグ姿を分度器で測ってビデオに撮られ「分度器マン」なるあだ名をつけられて陰で笑われていたりと、日本社会や経済を牽引する慎みあるべき大の大人がやらかす問題のあれこれは、大企業や大手官庁不祥事の事例を引くまでもなく日本のエリートの劣化を肌で感じる部分もないでもありません。

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品行方正こそ最高の武器

 私も日本を動かす高級官僚が接待を受けていた事件に衝撃を覚えたノーパンしゃぶしゃぶ世代であります。なんだ、ノーパンしゃぶしゃぶ世代って。不肖このわたくし、45歳になっていまだ誰からもノーパンしゃぶしゃぶで食事しましょうと誘われたこともなく、それがどういう店なのかも判別つきませんが。一生判別がつかなくてもいいぐらいです。ただ、順調に社会の階段を上がっていき権力者になっていく過程で、そういう落とし穴が随所にあるのが世の中だとするならば、処世として品行方正こそ最高の武器に他なりません。

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 しかしながら、人の上に立つべき世の経営者が、率先してキャバクラで裸になり乱痴気騒ぎを起こしているところを部下に写真を撮らせて流出したり、飛ぶ鳥を落とす高成長産業の風雲児として株式上場して得た数十億円の富をのめり込んだFX取引で数日のうちに全額スッてしまったりという話を耳にするにつけ、人間の欠点というものは成功や美徳では覆い尽くせない心の闇を露わにするものなのだ、と思うのです。