昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

東大野球部で打率3割 辻居新平の進路はプロ野球か、それとも弁護士か

口癖は「自分なんてまだまだ」。どこまでも謙虚な理由

2018/12/03

投げ出したくなることはないのだろうか

 現在、東大野球部は週6日朝8時から12時までの4時間全体練習があり、その他は各自が自主練習で鍛える形式を取っている。もちろん、学生の本分である授業もある。

「法学部は試験の比重が多いので、試験前が特に大変ですね! そういう時は午前中練習して、午後は部屋にこもりっきりで勉強みたいな感じです。司法試験を目指してダブルスクールをしている学生も多いですけど、さすがに僕は時間がなくてできないですね(笑)」

 

 毎日続くトレーニングに加えて、厳しい試験の数々もある。それをこれだけハイレベルな基準でクリアしなければならない。傍からは苦しいものにも見えるが、投げ出したくなることはないのだろうか。

「正直、『まだ勉強するのか』と思う時はあります(笑)。大学に入って一区切りがついた中で『まだやるのか……』と。でも、自分の今までの生き方を考えると、勉強をやっていないと野球もやれないところもあります。例えば休学するなりして、野球だけに打ち込んだから爆発的に伸びるかといったら、僕はそうは思いません。

 逆に野球がなかったらこれだけ勉強も頑張れなかった。相乗効果というか、勉強と野球って自分の中では似ているんですよ。目標へ向かって行く方法とか、メンタルの持ち方とか、努力の仕方だとか、そういうところは共通している。野球が良い時は勉強も良かったり、勉強に集中できていない時は野球にも集中できていないとか、そういうことは多かったです。だから、まったくの別物とは考えていないんです。悩ましいけど、楽しいですよ。頑張っているからこそ得られる成果もあるし、できるようになれば、どちらも楽しいですから」

「家に籠っているのは性に合わない」

 とはいえ、人に与えられた時間は有限だ。

 決まった時間の中で2つのフィールドのことを効率よく行うために、辻居はどんなことを意識しているのだろうか。

「ひとつは、切り替えをすごく大事にしています。中途半端にやらない。『ここまでやる』と決めた量だけやって、それ以上にもそれ以下にもしない。野球においても、そんなに練習量はこなしていないと思いますし、僕より量をやっている人はたくさんいると思います。ただ『今日はここまでやる』と決めたことは絶対にやって、それを継続的にやり続けるというのは意識しています」

 

 貴重な休日は、体を休めつつアクティブに活動しているという。

「週1でオフ日があるので、その日はなるべく野球から離れるようにしています。大学の友達もスケジュールをあわせてくれるので、彼らに会ったり、話をしたりすることが多いですね。

 勉強して過ごすときもありますけど、人と話すのが好きなので、なるべく誰かと会おうとしちゃいますね。逆に家に籠っているのは性に合わないというか。勉強も終わったらすぐに家から出て、みんなでワイワイやっています」