2018年のドラマ界をひっぱった「顔」は誰だろうか? 平均視聴率20%を超えるNHK朝ドラから、おじさんに光を当てた「おっさんずラブ」、「バイプレイヤーズ」まで、記憶に残る10人を選ぶ。(好評発売中の『週刊文春エンタ!』より)
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2018年を振り返るうえで避けて通れないのはNHKの“朝ドラ”俳優である。近年、平均視聴率がたいてい20%を越えているドラマは“朝ドラ”だけ。当然ながら出演俳優の認知度も上がる。18年前期の『半分、青い。』は全156話の平均視聴率が21.1%と、16年前期『とと姉ちゃん』の22.8%以来の好成績となり、18年後期『まんぷく』の初回視聴率は23.8%と00年後期『オードリー』の23.2%以来の快挙。世間の注目のほどが感じられる。
美少年とマイルドヤンキーを演じこなした佐藤健
『半分、青い。』では、永野芽郁と佐藤健が演じる、同年同日に生まれた運命的な幼馴染が、それぞれ一度はほかの人と結婚するなど人生を迷いに迷い、お互いバツイチになってから、ようやく一番大事な相手として認識する。10代の永野と20代の佐藤が高校生からアラフォーの中年まで長きにわたる恋心を懸命に演じきった。
永野は朝ドラヒロインには珍しい傍若無人で言動粗暴な役を体当たりで演じ、若い視聴者の共感を得た。佐藤の役は『ベニスに死す』の美少年“タジオ”と呼ばれるほどの美形キャラ設定で、その役を特集した写真集は増刷するほど盛り上がった。佐藤はそのうえ、回を増すごとに視聴率が上がった『義母と娘のブルース』(TBS系)で同時期2作の高視聴率番組出演という偉業を達成。朝ドラとは180度違うマイルドヤンキー系な役を演じて俳優としての幅の広さを見せた。