雅子さまがお好きな「チャイナボタン」
少しずつではあるのだろうが、雅子さまのご体調は上向き、回復に向かわれている中でお出ましが増えているにもかかわらず、90年代からお召しになっているスーツを直されて、今でも大切に愛用されているようだ。お出ましが限られていた時期は、雅子さまが洋服を新調されることをご遠慮されているように拝察していた。だが、おそらく雅子さまのお好みのデザインは、外務省で勤務されていた時代に着ていてもおかしくないようなキャリアウーマン風のものだろう。Iラインの縦長シルエットかつ、オーソドックスなデザインのお召し物だからこそ、長く着回されているのでは、とも考えるようになった。
特に「チャイナボタン」はお好きなようで、前ページの彦根城博物館での写真でも確認できるように、様々なジャケットに取り入れられている。一般的にオートクチュールの洋服の場合は、お直ししやすいように作ってあるというから、雅子さまは、お気に入りの上質なお召し物を20年以上もの間、丁寧に手入れされてお持ちになっているのではないだろうか。
11月17日、東京都内で開かれた「第42回全国育樹祭」の「お手入れ行事」では、ボルドーのスーツに、エルメス風とも言える犬柄のスカーフ地ブラウスを合わせられている。1999年の公務で同じスーツとブラウスをお召しになっていた時と比べると、ボタンのデザインを「チャイナボタン」風に変えられているようだ。
翌18日の式典では、ロイヤルブルーのスーツに白いタイブラウスを合わせられ、ブルーリボンがエレガントな白いお帽子をお召しになっていた。このスーツも、1995年の誕生日を前にしたご近影などでお召しになっていたものだ。
贅沢をなさらない雅子さまだが、お足元を拝見すると、これまでは黒やベージュの革素材のパンプスが多かったのに対して、ベルベットやサテン地のように見える色とりどりのパンプスをお召しになる機会が増えたように思う。