どうやら、アイドルたちは青海(あおみ)と青梅(おうめ)をよく間違えてしまうらしい。さる11月27日、青海駅近くにあるZepp Tokyoに向かっていたアイドルグループ「HIGHSPIRITS」に所属する小室あいかさんが、青海駅と青梅駅を間違えてライブに出演できないというハプニングがあった。同様の“事件”はこれまでもたびたび起きているようで、今年7月には「全力少女R」の佐藤絵里香さん、2016年には「R-Village Girls」のMEIさんが、おなじように青海駅と青梅駅を間違えているのだ。

 まあ、この相次ぐ青海青梅勘違い事件に対して冷静にツッコミを入れるなら「よく確認しましょう」のひとことで終わってしまう。Zepp Tokyoの公式サイトでもしっかりと「青海駅」と書かれているし……。

中央線で行けるのは「青梅駅」のほうです

“あおう”とスマホに入力すると「青梅」が出てくる

 ただ、実際にはアイドルに限らずしばしば青海駅に向かうつもりが青梅駅に行ってしまう事件は起きているというから、事態は意外と深刻なのかもしれない。両者の違いは字面だけなら“海”と“梅”だけで見た目もそっくり。青海駅の読み方を“あおうみ”と勘違いしたままでスマホに入力してみると、“あおう”の段階で予測変換に「青梅」が出てしまう。それでついついそのまま青梅駅に出発進行なのだろう。というわけで、こうした悲劇を二度と生まないよう、今回は筆者が“わざと”青梅駅から青海駅まで向かってみることにした。

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 まずは、東京西部のJR青梅線にある青梅駅。いったいどこにあるのかというと、住所は東京都青梅市である。JR中央線からの直通列車もたくさん走っており、都心で「青梅行き」を見かけたことがある人も多いだろう(これも勘違いを生み出す原因のひとつかも)。青梅駅は青梅線のほぼ中間にある駅で、青梅から終点の奥多摩までは「東京アドベンチャーライン」なる愛称を持つ山岳路線。青梅駅はアドベンチャーの最初の駅なのだ。

青梅駅の駅舎ビル
木製のベンチが並ぶ青梅駅のホーム
青梅駅は奥多摩へと続くアドベンチャーラインの始まり

「ってか途中で気がつくでしょ?」

 間違えてやってくる人はどれだけいるのか。駅前で見かけた地元の高校生に尋ねてみると、「ネタになっているのは知ってますけど、こんな田舎に来てどうすんでしょうね。途中で気がつくでしょ、フツー」とバッサリ。いやはや、ごもっとも。駅舎はいかにも古めかしく、ホームと改札口をつなぐ地下道には古い映画の看板が並んでいたり、ホームにも木製のベンチや待合室があったりとかなり昭和な雰囲気が漂う青梅駅。ここにZepp Tokyoがあるとは思えない。

 いつまでも青梅にいても意味がないので、さっそく「青梅特快」に乗り込んで青海駅を目指すことにする。青海駅は東京都江東区、お台場に位置するゆりかもめの駅だ。

「青梅特快」でいざ都心へ!