2019年に中学入試本番を控えている家庭では、志望校・併願校選びの佳境に入っていることだろう。そこで、悔いの残らない併願戦略を練り上げるための観点を整理する。入試本番まではまだ時間がある学年の子の保護者も、将来のために、いまのうちにポイントを知っておくことをおすすめする。

第1志望以外はすべて第2志望と考える

 まず大前提として、本気でその学校に入りたいという気持ちが続く限り、「第1志望」をあきらめる必要はない。この存在が、受験勉強をがんばるためのモチベーションの源泉になるからだ。学校選びでどんなところに注目すればわが子に合った学校を見抜けるかは拙著『中学受験「必笑法」』にまとめてある。

 そして「第1志望」以外の学校すべてを「第2志望」とする。「この学校もいいな」「この学校に自分が通っている姿もイメージできる」と思える学校のことだ。そういう学校が複数あっても「第3志望」「第4志望」などと順位を付ける必要はないし、そういう学校ができるだけたくさんあったほうがいい。

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「第2志望」の学校のなかからどの学校を実際に受験すべきかを決めるうえで、やはり模試の結果としてはじき出される偏差値が役に立つ。「たかが偏差値、されど偏差値」なのだ。

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●偏差値を利用した併願戦略ステップ(1) 模試の結果から、合格可能性を調べる

 まずは各校の入試日程を調べる。同じ日程の学校は当然併願できないので、どれかを選ばなければならない。ただし、首都圏では1校が平均約4回もの入試を設定しており、日程をうまくずらせば併願のパターンは増やせる。

 さらに、塾や模試業者が発表する偏差値表におけるそれらの学校の偏差値を調べてみる。偏差値表には「このくらいの偏差値をとっていれば80%の確率で合格できる」ことを表す「80%偏差値表」や同じく「50%偏差値表」がある。同じ学校でも入試日によって偏差値が大きく違うことがあるので注意が必要だ。

 模試の志望校記入欄には限りがあるので、すべての志望校について合格可能性が数値化されるとは限らない。模試の志望校欄に書き切れなかった学校については、自分で偏差値表を見ながら合格可能性を推測しなければならない。