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異例コラボで目指す収益化

 現在も関西独立リーグには、個人スポンサー以外の給与は無しという規定がある。それでも野球を続けたい、NPBを目指したいという選手が集まってきた。トライアウト受験者も例年より多い。堺シュライクスには12月1日までに、リーグ合同トライアウトを含む3度のトライアウトの末20人の選手が採用となった。

 夢と情熱だけでやっていくにはなかなか厳しい環境だが、球団設立当初から、松本オーナーは「ファンクラブなどの収益を選手に還元したい」「これまでにリーグでやったことのないことをどんどんやって収益化のモデルとなりたい」と語っていた。取り組みの例として、野球漫画「バトルスタディーズ」とのパートナーシップ協定を結んだり、ホラー映画「来る」とのコラボレーションポスターが作られたりしている。関西独立リーグの歴史上、このようなコラボは異例中の異例だ。

バトルスタディーズとのパートナーシップ協定。左から松本オーナー、なきぼくろ氏、大西監督

「年内に堺っ子体操をマスターする」という宣言もされていた。堺っ子体操は堺市の小学校に伝わる40年程の歴史を持つ準備体操だ。多分堺市出身の巨人・小林誠司もこの体操をやっていたはずだ。このキーワードが出るだけで堺市民は一瞬で打ち解ける。もし東京ドームのYMCAよろしくグラウンド整備中に堺っ子体操のメロディーとともに選手が出てきて一緒に体操したら……と考えるとなかなか楽しい。

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 さあこの百舌鳥たちはどんな風に飛んでいくのだろうか。年明けにもう一度リーグ合同トライアウトがある。ホームページには着々とスポンサーのバナーや紹介ページが増えてきた。飛び立つ準備は着々と進んでいる。夢と情熱を持って、必死こいて羽ばたいてほしい。その羽ばたきで野球界に新しい風を吹かせてやってほしい。

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