文春野球読者の皆さま。謹賀新年 どうぞ今年も宜しくお願い致します。

 さて、那須川天心がフロイド・メイウェザーJrにボコられ幕を閉じた2018。さすがに天心がボクシングルールでメイウェザー相手に善戦出来るとはこれっぽっちも思ってはいなかった自分であるが、それでも我らがORIX・Buffaloesの2018年はもう少し健闘するものだと信じていた。まぁ、それももはや葬礼帰りの医者話、昨年の話をしていても仕方がないので、ここは切り替えて文春野球の展望を踏まえながら、このコラムでは今年のORIX・Buffaloesへの期待を綴って行こうかと考えている。

「出会いと別れ」

「出会いと別れ」。過去から沢山のミュージシャンが歌って来た事だ。加藤ミリヤもナオト・インティライミも、家入レオだって歌っている。それ程、人の世の常である。確かにそうだ、そうなのだが、2019年のBuffaloesはまずこれを受け入れなければいけない。これがまた辛いのだ。何が辛いって「出会い」の方が整っていないのに「別れ」の方が急激に整備されてしまったのだから。

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 ナカジ、小谷野、西に金子まで「別れ」の方を新名神高速道とするならば、「出会い」の方は3桁国道のような開発ぶりである。いやいや、3桁国道には3桁国道の風情があるし、いわゆる林道に近い山間部をオフロードバイクで走ると気持ちが良いってのはある。それでも、あくまでこれは交通の利便性の問題で、大阪を出発してどのチームがいち早く東京へ着くかを競う競技である。それならば、それならば新名神が良いに決まっている。それがどこかの在京球団のように多少渋滞気味の新名神であってもだ。

オリックスから自由契約となり、巨人に入団した中島宏之 ©文藝春秋

 いや、何もこれは「出会い」を補強に限定した話ではない。あくまで新しい戦力との「出会い」であるのだからルーキーの台頭だって、ベテランの復活だって何だって構わない。新名神が霞むほどの高速道路、そう、東名高速や中央道のような「出会い」が必要なのだ。ただ、この「出会い」の整備についてはまだまだシーズンインまでの時間を考えると多少の猶予があると言えるだろう。