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すべては子どもたちとドラゴンズのために

 問題文づくりは思った以上に難航した。たとえば、「勝」という漢字なら問題をつくりやすいが、「負」という漢字はつくりにくい。ネガティブな問題文になりがちだからだ。やっぱり子どもたちにはポジティブな気持ちでドラゴンズを応援してほしい。そこでメンバーの誰かが思いついた問題文が「ドラゴンズは負けを知らない」。このトンチには感動した。

 問題文は事実とフィクションが6:4から7:3ぐらいの割合になった。子ども向けのドリルだからといってウソばかりにはしたくはなかったし、逆に多少の飛躍はあってもいいと思った。「すぎ山せん手が犬にかまれた」「まついまさ人せん手の顔面にボールが当たった」などの問題文はいずれも事実。一方、フィクションの問題文は、頭を悩ませた末に生まれたものが多い。「油」という漢字の問題文は「ふじいせん手が油田をほり当てた」。他にも藤井淳志選手は右から突っ込んできたり、白鳥のように舞ったりと、ドリルの中で大活躍している。藤井選手の明るさとスケールの大きさにはずいぶん助けられた。

 根尾昂選手の勤勉ぶり、鈴木博志選手の大食漢ぶり、福谷浩司選手の頭脳明晰ぶりなども問題文に活かされた。なんとかして面白い問題文にしようと頭をひねり続けて問題文が完成した。発売後、気に入った問題文を撮影してSNSにアップする人が後を絶たないのがうれしい。

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問題文が話題に ©大山くまお

 今度は4〜6年生用の漢字ドリルをつくってほしいという要望が僕のもとに届いている。算数も2年生以上のものをつくりたいし、英語やスペイン語なんてアイデアも出ている。ああ、やりたいことだらけだ。

すべてはドラゴンズファンの子どもたちのために。
すべてはこれからドラゴンズファンになる子どもたちのために。
すべては未来のドラゴンズのために。

「ドアラドリル」で学んだ子どもたちがナゴヤドームに足を運んでくれたら、こんなに嬉しいことはない。ぜひ僕らも子どもたちと一緒に声を嗄らしてドラゴンズを応援したい。選手たちもきっと張り切ってくれるはずだ。お子さんがいる方はもちろん、お子さんがいない方は、ぜひとも甥っ子や姪っ子、お知り合いのお子さんへのプレゼント用に手に取ってみてください。その一冊が未来のドラゴンズファンを増やすことにつながります。大人のみなさん、今後とも「ドアラドリル」ならびに中日ドラゴンズ、そして子どもたちをよろしくお願いいたします。

(お知らせ)
 現在発売中の「ドラゴンズぴあ2019」にて文春野球のセ・リーグメンバーのコラムが掲載されております。

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