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「岡田くん、頼む! もう一回大城に打たせてやってくれ」

 そして最後に「O」大城滉二である。興南高校で春・夏の甲子園を制した逸材はいよいよ正遊撃手の座をその手に掴もうとしている。今季ここまで82試合に出場し打率.276。5月に関して言えば月間打率.315を記録するなど、ここまで苦しいながらもバファローズが他球団と熾烈な争いを繰り広げる事が出来たのは、彼の活躍が非常に大きいと言えるだろう。それこそ期待はしていたものの、まさかこんなにも早く大城がクリーンナップを打つ日がやってこようとは。感慨深く彼を見つめるバファローズファンも少なくないはずである。また内野のファンタジスタの資質もじゅうぶんで、まるでオリックス時代の後藤光尊コーチのプレーを見ているような感覚に陥る。残念なエラーをしたかと思えば、それを取り返してお釣りがくるファインプレーで魅せるなどプロとしての存在感も満点だ。

 3年前の地元沖縄での楽天戦で印象深い出来事があった。大城の事をあまりに愛する初老のファンが、大城の3振直後に打席に向かうT-岡田に向かって「岡田くん、頼む! もう一回大城に打たせてやってくれ、あんたはもう沢山ホームランを打ってるから譲ってくれても良いだろう」とルール無用の嘆願をしだしたのだ。そんな嘆願をされてT-岡田もさぞ困ってしまっただろうが、それ程までに地元のファンからも愛されている大城。このまま後半戦もそのバットとグラブで若きバファローズを牽引して欲しいものだ。

 とまぁ、無理やり「nWo」だ「ニューワールド・オーダー」だとキーマン3名を論ってみたが、バファローズは2位日本ハムまでたった4ゲーム差である(前半戦終了時点)。この3人に牽引されたチームが交流戦のような戦いを継続出きれば、秋にはCS争いに割って入る事もじゅうぶん可能だろう。願わくば本家、プロレスの「nWo」のように分裂を繰り返し、最後には自然消滅に至ることがないよう、我々ファンは暖かくも、しっかりと後半戦も見届けて行こうと思っている。

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