公私ともに本物のメジャーリーガー
そしてもう一つ、有名なのは足だ。クリーブランド・インディアンズ時代の今年6月15日の話。デトロイト・タイガース戦(コメリカパーク)で3対2と1点リードの8回表の攻撃で先頭だったマーティンがライトへの二塁打で出塁すると、レフトフライで三塁へタッチアップ。その後、2死3塁となるとカウント1-1からバッテリーが無警戒であることを察知すると果敢にホームへ突進。ホームスチールを成功させた。「あれは会心のプレーだったね。日本でも? チャンスがあれば、もちろん狙うよ」とデビュー前に本人は話していたことから、日本プロ野球界ではなかなかお目にかかれないホームスチールへの期待も高まる。
もちろん肩と足だけではなく、日本デビュー2戦目で初安打と勝ち越しとなる初本塁打も記録しているように打撃力も兼ね備えたプレーヤー。そんなスーパースターはアメリカでの生活も豪華。マイアミには大型のクルーザーを2台所有。オフには釣りを楽しむ。「50ポンド(22キロ)のキングフィッシュを釣ったことがあるぜ」とスケールが違う。公私ともにすべてにおいて本物のメジャーリーガー。ぜひそんな男のプレーを生で観戦して欲しい。
ちなみに最初に覚えた日本語は「頑張りマーティン」。マリーンズ恒例の名前を使ったダジャレである。なお「宜しくお願いしマーティン」、「いただきマーティン」などの別パターンも現在、覚えている途中だ。混戦が続くパ・リーグで抜け出すための起爆剤として強い期待のかかる背番号「79」。マリーンズに本物の救世主(メシア)が現れた。
梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)
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