ファイターズは誰なら呼んでもらえるだろうか
で、ふと思った訳です。もしもこれから先、プロ野球選手、元選手の出演が復活したとして。今ならパ・リーグの人ももっと呼んでもらえるかなあ。ファイターズは誰ならあるだろう。
これ全国放送という点がネックになるんですよね。北海道に移転して地域密着路線で行くこと十数年、道内でなら知名度あります。現役最終年に最後の応援大使企画で羽幌町に行った武田勝はサプライズ訪問した高校で黄色い大歓声を浴びておりました。いきなり現れた小柄なおじさんがファイターズの武田勝であると高校生達がすぐ判る、そしてその事実に興奮してワーワーキャーキャーの大騒ぎとなる。そういう存在感なのです。
ただし全国レベルとなるとそうはいきますまい。文春野球北海道日本ハムチームえのきどいちろう監督のかつての言を借りるならば、《1万円札の選手が日ハムにはいないんです。ウチは、合計額なら1万円あるんだけど、全部千円札という感じですから》(「週刊プレイボーイ」2006年10月9日号)なんですよねえ。栗山英樹監督ならば知名度はそこそこありそうですが、それはどこまでファイターズの監督としてのものなのか怪しいところです。「あっ『熱闘甲子園』観てましたよ!」とか言われたりするんじゃないでしょうか。
とまあ厳密に見ていったら何だか該当者は一人もいなくなりそうだったので、実現可能性は取り敢えず棚上げとして「町歩き系番組の適性」だけを考えることにしました。初めて行った場所で、通りすがりの見知らぬ人と、物おじせずに話が弾みそうなのは誰か、ということです。人見知りしない、人なつっこいタイプが望ましい。
ここでファイターズのオフィシャルマガジン「FORTE」9月号を見てみましょう。連載「母が語る」に杉谷拳士のご母堂である真寿美さんが登場しています。昔の拳士少年は一体どんな子供だったのかというと。
《性格は明るくて、人見知りもしない。通学中に見知らぬ男性と話し込んでいて、「お友達のお父さん?」と聞くと「いつもこの時間にすれ違う人だよ!」って。よくすれ違う人とも仲良くなっちゃうんです。15分くらい電話で話してると思ったら、間違い電話だったこともありました(笑)》
うってつけの人がいました、ここに! これは筋金入りですねえ。まさに栴檀は双葉より芳し。「うるさい選手」「明るい選手」としてファイターズファンの間のみならず広く球界に勇名を轟かせている彼ですが、実は時々、無理して陽気に振舞ってるんじゃなければいいけれど、なんて思うこともありました。どうやら全くの杞憂であった模様です。あー心配して損したっ。
全国のお茶の間をお騒がせするのはまだ無理でも、道内のお茶の間ならいけますよね。地元ローカル局各位、シーズンオフ企画にいかがでしょう。杉谷拳士の町歩き!
◆ ◆ ◆
※「文春野球コラム ペナントレース2019」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/13691 でHITボタンを押してください。
この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。