昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

「妻を散弾銃で撃ち殺した老人は……」大島てるが語る“田園調布で唯一の事故物件”

事故物件サイト運営人が紹介する「“曰く付き”のセレブな物件」 #1

2019/11/29

genre : ニュース, 社会

二人の遺体を発見したのは……

 遺書は残っていなかったので、なぜ男性が無理心中を図ったのか、その動機はわかりません。しかし、“高級住宅街らしさ”で言えば、事件に散弾銃が用いられた点は非常に印象的です。その男性はクレー射撃が趣味だったようで、その銃も公的な許可を得て所持していたものでした。ただ、クレー射撃というのはお金のかかる趣味として知られていますし、銃所持の許可を得るとなると、一定の社会的地位や“クリーンさ”が求められます。その点で、まさにこれは「高級住宅街だからこそ起きた事件」と言えるかもしれません。

©iStock.com

 また、男性が撃ち殺した妻は、なんと40歳以上も年が離れていて、まだ30代になったばかりでした。そして二人の遺体を発見したのは、妻よりも“年上の娘”。――殺された女性は男性にとって、娘よりも若い“後妻”だったのです。

なぜ5年以上経っても更地のままなのか?

 現在、この土地は更地になっていて、誰も住んではいません。事件が起きてから既に5年以上の月日が流れていますが、その後、新たな住人は現れていないようです。「田園調布なのにもったいない」と思われる方もいるかもしれませんが、そもそも田園調布に住もうなどと思える人は、わざわざ“曰く付き”の土地を選ばずとも、他にいくらでも好きな土地を購入できるだけの財力があります。

※写真はイメージです ©iStock.com

 たとえ「事故物件でも気にしない」という考えの人であっても、「事故物件」か「普通の物件」かを選べるのであれば、おそらく全員が「普通の物件」を選ぶはず。また、事故物件は価格(家賃)が安くなることが多いとはいえ、そこは紛れもなく田園調布の中心地。売りに出されても、高級住宅街にふさわしい高値がつくことは間違いないでしょう。

 このように、一度事故物件になってしまうと、なかなか次に住む人が見つからないというのも、高級住宅街ならではの現象かもしれません。