文春オンライン

優しく、粋だったミスタードラゴンズ・高木守道さんはいつも笑っていた

文春野球コラム ウィンターリーグ2019

2020/01/24
note

ゴルフ場でカッとなった高木さんは……

 去年5月。東名高速上郷サービスエリアで行ったCBCラジオ「若狭敬一のスポ音」の公開生放送にゲスト出演した高木さんはプライベートな話も笑顔で披露した。

「ゴルフであまりにもパターが入らんから、カッとなって池に投げたら、高い木の枝に引っ掛かってね。全く取れない位置だから、ずっと残っていた。だから、そのゴルフ場に行くと、毎回パターが目に入るから、また腹が立つ」

 集まった150名ほどのリスナーが笑った。「1年後かな。ゴルフ場から『木の枝が折れたので、パターが落ちてきました。高木さん、お渡ししましょうか』と電話があってね。『そんなもん要らんわ!』って言ったんだわ」。会場は大いに沸いた。放送後、サインを求めたリスナー全員にペンを走らせたのは言うまでもない。

ADVERTISEMENT

 最後に会ったのは去年12月。CBCラジオ「板東サンデー」で共演したときだった。板東英二さんが「守道、正月はどんな感じなんだ?」と尋ねると、「我が家にはいっぱい孫が来ますから、賑やかですよ。みんなですき焼きをしてね。私が鍋奉行です」と楽しみにしていた。本当に元気な様子だった。

©文藝春秋

 高木さんは今もきっと笑っている。食べきれないほどの料理を振る舞い、好きなゴルフを堪能し、快くサインを書いている。ただ、現役選手のプレーには厳しい視線を送っているだろう。

「簡単にファインプレーの札を出しては高木チェックの権威が落ちる」

 そう言って、また微笑んでいる。たくさんの笑顔に癒され、救われ、励まされた。感謝は尽きない。高木さん、ありがとうございました。

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ウィンターリーグ2019」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/28653 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。

優しく、粋だったミスタードラゴンズ・高木守道さんはいつも笑っていた

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春野球をフォロー
文春野球学校開講!