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事故物件が“上側”に集中している理由

 それは、生活者層の違いです。地図で見るとわかりませんが、この地域の下側は高台になっていて、そこには高級住宅街が広がっています。一方、上側はいわゆる“福祉の町(元・労働者の町)”。住民同士のトラブルや自殺が多く、一帯は事故物件だらけになっているのです。

 これは一例にすぎませんが、「事故物件が新たな事故物件を生む」という連鎖が、紛れもなく存在している証拠と言えます。

クルーズ船の客層もガラッと変わる

 一方、クルーズ船に話を戻しますと、今回の一件によって、「たとえ新型コロナが終息したとしても、あまりクルーズ船には乗りたくない」と感じている人が大多数だと思います。しかし、なんとかしてお客を取り戻さないと運航会社も生き残っていけないので、おそらく彼らは今後、料金の値下げに踏み切るでしょう。

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©iStock.com

 すると、これまでとは客層がガラッと変わり、それによって船内で新たなトラブルが起きる可能性も高まります。これはまさに、“事故物件化”とも言える現象です。

 新型コロナが収まったら、私としてはぜひ、今回は乗れなかったダイヤモンド・プリンセス号に乗って、ゆっくり旅をしたいと思っています。クルーズ船は今後、事故物件と同様の道のりを辿ってしまうのか……注目しながら見守っていきたいです。