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ナイスアイ! 槍! 地獄!……プロ野球選手の掛け声の意味、わかりますか?

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/06/30
note

「槍!」「地獄!」究極の“通” の楽しみ方

 続いて、ベンチからの声。多くの方に驚かれるのは、「選手って、あんなに声出すんだね」ということ。誰かがホームランを打ったとき、ベンチは当然盛り上がります。その声が拾われて聞くことができるのも、今だけ。プレーの一つ一つに思わず声が出てしまうのは、選手も同じということです。ここで、選手の掛け声にも注目してみましょう。もしこれが音声で聞こえたならまた無観客試合の楽しみ方が一つ増えます(聞こえたところで誰にも自慢できないので、究極の“通” の楽しみ方になります)。

「ナイスアイ!」

 バッターが、際どいボールを見送ってボール判定になった時に主に使われます。フォアボールを選んだ選手にも惜しみなくかけられる言葉。読んで字の如く、ナイス=良い、アイ=目。ボールを選ぶ“いい目”だ!という掛け声です。

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「ハードラック!」

 バッターがいい打球を飛ばしたのに、運悪く野手の正面をついたり、ファインプレーに阻まれたりした時にかけられる言葉。こちらも読んで字の如く、ハード=厳しい、ラック=運。運が悪かったね!という掛け声です。

「槍!」

 やり、と読みます。通常は、「槍槍!」と、2回続けて出します。ストレートにめっぽう強いバッターに対してかける言葉。ところが、変化球にめっぽう弱いバッターにかけるヤジとしても使う場合もありますから、使用は控えましょう。一本槍から連想されている言葉と推測されます。

「地獄!」

 守備がとてつもなく上手い選手の方向に打球が飛んだ時に使います。おそらく、「アリ地獄」から引用されているものと推測されます。ここに打球が飛んだら、間違いなくアウトになる、という意味です。横浜では、柴田がセカンドを守っている場合の内野は鉄壁ですから、どこに打球が飛んでも、「地獄!」です。

「逃げた!(関西限定)」

 これはもう、野球をやっている人ならほぼ分かります。ランナーが盗塁した時に一斉にかける言葉です。普通は、「走った!」ですが、なぜか関西では「逃げた!」と言います。高校の時に、大阪出身の選手が「逃げた!」というのを聞いて、めちゃくちゃ衝撃だったことを覚えています。

 紹介するとキリがありませんが、このほかにも、まだまだベンチからの掛け声はたくさんあります。無観客の間に、「音」で楽しむプロ野球を見つけてみるのも、新しいプロ野球の見方ですね。

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