警察が自宅に向かうと、そこには……
すぐに警察が自宅に向かうと、そこにはマフラーで首を絞められ、殺された祖母の遺体がありました。今度は紛れもない窒息死で、男はすぐに逮捕されました。
その後の供述によると、母親の死のあと、祖母と2人でどう暮らしていくかを話し合っているうちに意見が対立し、将来を悲観した男が祖母を殺害した……との経緯だったことが判明しました。
しかし、なぜ母親が病死した際に「私が殺した」と嘘をついたのか、そして、その場で口にした「口論の末に首を絞めた」という“供述”を、なぜ1週間後に現実のものにしてしまったのか、という点は、謎のままで終わってしまいました。
事故物件は思わぬ“結末”を迎える
こうした、非常に特殊な形で2人の住人が相次いで亡くなった事故物件は、一体どんな家なのか。事件後、私自身も実際に現場に行ってみようと思いながら、タイミングを見つけられないでいました。
すると、1カ月もしないうちに、驚くべきニュースが飛び込んできました。その家が火事に遭い、焼け落ちてしまったというのです――。
原因は放火の疑いが強いとのことでした。確かに、母親と祖母が亡くなり、男も逮捕されてしまったことで、その家は空き家状態でした。放火魔にとっては、絶好のターゲットだったのかもしれません。
少し話が逸れますが、放火というのは、実はけが人も死者も出ないケースが多いのです。かつて、ある無職の男が、建設中の木造住宅ばかりを狙って火を付ける、という事件がありました。「こんな幸せそうな家に引っ越すなんて許せない」という嫉妬心からの犯行だったようですが、どれも作りかけの家ですから、当然誰も住んでおらず、犠牲者はいませんでした。