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住人が1人ずつ消えていく…大島てるが語る「平凡な一軒家が“恐怖の事故物件”に豹変するまで」

住人が1人ずつ消えていく…大島てるが語る「平凡な一軒家が“恐怖の事故物件”に豹変するまで」

事故物件サイト運営人が教える「繰り返された悲劇」 #1

2020/08/16
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 これはある種、放火魔の典型例と言えると思います。放火魔の心理は理解したくありませんが、燃えやすいものに火を付けて、メラメラと火柱が上がる光景をみることでスカっとする……といったことなのでしょうか。彼らにしてみればモノが燃えれば十分で、物理的に誰かを傷つけてやろう、といった意志は案外ないのかもしれません。

 そう考えると、空き家になった一軒家はまさに狙い目です。新聞やテレビで事件のことを知れば、今はそこに誰も住んでいないこともわかります。その後、私が訪れたときには、すでに家は取り壊され、現場は完全に更地になっていました。

©iStock.com ※写真はイメージです

この事故物件で異常だったのは……

 こうして振り返ってみても、この事故物件で異常だったのは事件のスピードです。母親の病死、祖母の殺害、そして自宅の全焼。これらの出来事は全て、たった1カ月の間に起きていたのです。

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 始まりは母親の病死か……それとも、男が口にした実に奇妙な“嘘の自白”だったのか。いずれにしても、この事故物件は世にも珍しい、数奇な運命を辿ることになってしまいました。

 今回は1カ月の間に複数の“事件”が起きた事故物件を紹介しました。一方で、もっと長いスパンで観察することで、不思議な現象に気づける事故物件もあります。次は、そうした事例についてお話ししましょう。

後編に続く

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