澤村を見送ったと思ったら、月間19勝と勝ち過ぎで、あっという間にマジック17。文春野球巨人軍の伊賀大介監督を中心に気鋭の巨人ウォッチャーたちが令和の巨人軍を語り尽くす座談会第3回は、「どこよりも早いペナント総括」「なんの権限もないけど勝手にFA大予想」「令和のプロ野球ユニホームに物申す」の3本立てでお送りします。
【参加者】
I:東京都出身40代。伊賀大介文春野球巨人監督。「あとは山下君だけ! 待ってるよ99番!!」
C:東京都出身30代。慎重。乙女。「湯浅クン、どうした!?」
H:埼玉県出身30代。新日派。文春野球と大型補強が大好き。「俺はまだ野上を諦めていない」
M:秋田県出身50代。中畑清信者。「辻内もトレードに出してあげたかった」
I 1か月前の座談会の見出しは「結局『先発澤村』しかない!?」でした。
H あれがまだ1か月前だもんね。今年は激動だ。中大で同部屋だったという美馬と澤村の関係性に触れて共闘の可能性をすっぱ抜いた(?)のは全メディアでこの座談会だけじゃない?(笑)
M ただの思い付きだったんだけど言っとくもんだ。それにしても1か月後にまさか澤村がコアラのマーチ2つ両手に持って写真に写ってるとはねえ。でも我々としては俄然日本シリーズにはロッテに来てほしいよね。「澤村と日本シリーズで会おう!」という再会アングルが生まれたよ。
I 今回の成功例で、球界のトレード事情が変わるかもしれない。ほぼ一方通行のトレードなのに、こんな幸せなトレードもなかったでしょう。
M 巨人ファンの誰からも「なんで澤村出したんだよ」「損した」とかいう不満が出なかった。幸せを遠くから祈るという感じだよね。
I 巨人に限らず、藤浪とかくすぶってる選手たちの処遇も変わってくるでしょう。
H 楽天のオコエとかね。ネームバリューはあるけど伸び悩んでいるという選手については環境を変えてあげようというきっかけになるかも。
俺たちの尚輝の躍動!! 監督これは決まりでしょう!
I 昨日久しぶりにドームに行ってきたんだけど(吉川)尚輝の守備はすごかった。球場全体を沸かす「金の取れる守備」って感じがしたな。
M 今月は長年の「生え抜き二塁手問題」にいよいよ結論が出たかなという1か月でもあったよね。
I 2割5分前後をうろうろしてた打率も今は2割9分。それにこの1か月で2回サヨナラヒットを打ったっていうことも球場人気に直結してますよ。
H 10年以上に及んだ二塁手問題も、もう尚輝で文句なしでしょう。この1か月は尚輝と大城が覚醒して、打てる捕手と二塁手の枠が一気に埋まった。あまりの独走でもしかしたら退屈しかねないペナントに、巨人ファンの興味を持続させてくれた感じがしますよ。
C 原さんも一時期尚輝に厳しかったけど、本気で期待していた証拠だったのかなと思う。期待しているからこそ簡単に甘やかさないぞっていうね。
I 尚輝は昨日も鈴木誠也のセンター前に抜けるかな、というあたりを難なくさばいた。いいプレーをファインプレーに見せない境地まできてる。
H あれはセカンドマギーだったら絶対抜けてましたよ。
I クルーズでも無理(笑)。
C 岡本のサードもハマってるし、うまくいけば内野でゴールデングラブ3つ行っちゃうんじゃないか? という感じしますね。
H 坂本、岡本、尚輝、中島の内野陣に外野の丸も入れて5つ行けるかも! シーズン後には10人以上切るかもっていう報道が出たりして、相当みんな危機感持ってやっているなと思う。
M ちょっと気が早いけど、今シーズンの勝因は守り勝ったことだよね。みんながマスクしてた1年にふさわしいというか、ディフェンスでとったペナントという感じ。いやまだ獲ってないんだけど(笑)。ファーストの中島なんかほんとにうまいからね。
H 大城は意外とパスボールをしない。攻撃的な捕手と言われてるけど守りも及第点だし、先発マスクで13連勝したり成長著しい。
M 小林トレード問題が出てくるのもやむを得ない活躍だよね。ただ、だれも小林を出すとも欲しいとも言ってないんだよね(笑)。試合に出なくても話題になるのが小林のスター性でしょうね。
C 大城に加えて、岸田も試合前の盛り上げでがんばったりキャラもいい。まあ小林のスター性も捨てがたいけどね。
H 打てる捕手枠は宇佐見と大城が争ってたけど、宇佐見はハムで打率1割台と苦しんでる。巨人の選手を見る目は正確だったのかも。
I この間の試合で、エキサイトシートの中に家族連れがいて、年配のご夫婦と娘さんだったんですが、その20代であろう娘さんが「アイドルですか!?」ってくらいに可愛らしい子で。連れてこられたのかなーとか思ってたら、おもむろに大城のユニとタオルで装備してて。そしたらタイムリー2本で最高の笑顔!! 大城やるじゃねえかと、めちゃ株が上がりましたね(笑)。
H 正体不明の美女に応援されているのはいいね。球場でしかわからないリアルですね(笑)。
C 若手中堅の競争が激しいのもいい。9月16日の阪神戦では若林俊太立岡が6-8番に並んだ。俊太とか立岡は今オフ危ないんじゃないかと言われてたけど、ふたを開けたら3人で7安打7打点だもん。
H ぶっちゃけペナント争いはもう終わって原監督がやりたい放題な感じが出てきてますよね。つくづく辰徳はファンをまったく飽きさせないなと。1―3軍の風通しもよくて辰徳も第二次政権の反省を生かしている感じがする。
C 阿部の進言で若林使って即ホームランとかね。
H まあ巨人ファンだから面白いけど相手球団からはギリギリだよね。なめてるのかと(笑)。
M 坂本岡本外してスタメン組むというのは結構ギリギリだよ(笑)。それにしてもパーラとサンチェスという投打のメーン助っ人が共倒れでこの位置っていうのはちょっとあり得ない。今は助っ人の力量である程度ペナントの行方が決まるプロ野球なのに。原さんの手綱さばきのみごとさが際立ってる。
H オースティンに依存したチーム作りをしてしまったラミレスと対照的だよね。
I だってパーラが出られないときにまさか松原が穴を埋めるとは思わない。陽岱鋼ならまだわかるけど、松原がおつりが来る活躍するの? っていう。俺たちファンでも、全く選手起用が読めないすね。
H 原監督はチームが調子いいときの方が若手をどんどんぶっこみますよね。かつてはオガラミがいたから松本、亀井、坂本とかを使えた。今のチームも坂本丸岡本でベース作って若手をじゃんじゃん使う。それに東野や内海にニセ侍とか砂遊びとか言ってたころと辰徳自身も変わったというか、今の時代に合わせてアップデートしてますよ。
C 原監督から見たら直江とか戸郷は孫世代だもんね。
M 前の座談会で戸郷は今季9勝してくれたらいいといったけど、言霊のように降りかかってきちゃってちょっと責任を感じるよ(笑)。
H 広島の森下に勝数以外は分が悪いけど、よく高卒2年目でがんばってくれた。序盤の功労者だよね。新人王ぐらいカープでいいんじゃないかと。わけわかんない上から目線だけど(笑)。
M 1年目がとったほうが新人王感があるしね。
I あとは原語録でいうと、岩隈への唐突な牽制球ってのがあった。ホトトギス!!
H メルセデス離脱の話をしていたら、唐突に岩隈の名前を出したという。この座談会を読んでるとしか思えない(笑)。
M 絶対読んでるよ。読んでなきゃ岩隈の名前はでないでしょう。