「できない理由」を探すより「何かもっとできないか」
よく、長いペナントレースは一隻の船に例えられます。目指す場所の難しさに比例して、航海も大変になってくるからです。「日本一」という目標を達成するのは、どれだけ難しいかというのはわかると思います。私も現役時代に06年、10年、11年と3度にわたって日本シリーズのメンバー入りを経験していますが、一度も日本一を経験したことはありませんでした(07年は日本一になりましたが、私はドミニカウィンターリーグに参加しており、地球の裏側で完全試合での日本一を聞きました。笑)。
先日行われた福岡PayPayドームでのオープン戦でも、ソフトバンクの選手1人1人のレベルの高さ、チームとしての層の厚さを感じました。目指すところはかなり険しいと思いますが、「日本一」を達成するには倒さなければならない相手だと再認識できたでしょう。
まもなく2021年シーズンの開幕を迎えます。当たり前の話ですが、昨年の優勝チームだろうが最下位のチームだろうが、今はどのチームも0勝0敗の状態にリセットされています。昨年、沢村賞を受賞した大野雄大もまだ0勝、最多安打の大島洋平、初のシーズン3割を達成した高橋周平にしてもまだ1本のヒットも打っていません(シーズンが始まっていないので当たり前ですが)。
昨年どれだけ良い成績だったとしても、今年もできる保証はありませんし、昨年不本意な成績だったとしても、今年もそうなるとは限りません。選手たちはそんな不安な気持ちを少しでもなくすため、自分自身にどれだけできるのか期待しながら、どんな場面でも自分の力を信じて今このときにできること、やらなくてはいけないことを一つずつやっていく必要があります。その先にセ・リーグ優勝、クライマックスシリーズ制覇、そして日本一があるはずです。
まだまだ新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入場者数の制限もありますが、今年もたくさんの応援よろしくお願いします。シーズンの最後には日本一になって、みんなで喜び合いたいですね。
最後は宣伝になってしまいますが、今年、中日ドラゴンズは球団オフィシャルインスタグラムを開設しました。少しでも選手を身近に感じてもらえるように選手の素の部分、選手の見えないところの努力、チーム、選手をより応援したくなるような情報を発信していけたらと思います。
厳しい状況だからといって、「できない理由」を探すより「何かもっとできないか」ということを考えながらこれからもやっていきたいです。
次回からはもう少し楽しい、チームの中にいるからこそわかる中日ドラゴンズの情報をお伝えできたらと思います。今年1年、よろしくお願いします。
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