「自分も大きいバスに乗って仙台を凱旋できたら」
強い眼差しで丁寧に話をしてくれる早川選手に座右の銘を聞かせてもらった。
「マウンドに立っている間は『平常心』という事を心掛けています。私生活では父からもらった『真の敵は己の中にあり』という言葉を常に心の中にしまって生活をさせていただいています」
そしてこう続けた。
「自分の甘さがでると、試合でもその時々のタイミングでプレーに出てしまうので、そこだけは自分に厳しくやっていかないといけないと思っています」
22歳、ゴールデンルーキー。
その瞳は眩しく輝いていた。お父さまからいただいたという、座右の銘を胸に、自分に対して厳しく真っ直ぐに向き合っているのだろう。
最後にこの質問をしてみた。
ーー早川選手の今後の「夢」はありますでしょうか?
「東北で優勝パレードがしたいという気持ちが本当にあります。自分が中学3年生の時に見た、あの2013年の優勝パレードが強く印象に残っています。次は自分も大きいバスに乗って仙台を凱旋できたらと思っているので、そこを目指してやっていきます」
なんて明るい未来を見据えた「夢」だろう。
早川選手の言葉は力強かった。チームの勝利ために、チームの優勝のために、自分の中の敵を倒していくんだという頼もしさが感じられた。
実況に携わる者としての自分にも夢はある。優勝がかかった試合の野球中継の実況を担当して、リスナーさんと優勝という感動を分かち合ってみたい。
2021年の日本シリーズはセ・リーグのゴールデンルーキー・佐藤輝明選手(近畿大卒)が在籍する阪神タイガースとの熱戦をみたいと個人的には願っている。そして早川隆久選手と佐藤輝明選手の東西ゴールデンルーキー対決を是非ともラジオで実況したい。
「日本シリーズ、東西ゴールデンルーキー対決は、TOHOKUの早川隆久に軍配があがりましたーー!」そう吠える秋のシナリオをすでに妄想している。
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