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イチローの登場がすべてを変えた オリックス選手の“出囃子”今昔物語

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/04/15
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「これはオリックスさんが初めてで……」

 今のオリックス選手の出囃子事情をご紹介しよう。奇数打席、偶数打席で曲を変えるなんて可愛いもので、得点圏走者の有無での曲の変更やイントロ5秒からの頭出し、などなど、選手のこだわりを列挙すればきりがない。それでも、選手が気持よくプレーに専念でき、さらにはスタンドのファンがその音楽によって、より応援に力が入るのなら、音響担当者ら球場スタッフは、それらの手間や労力を厭うことはない。ちなみに、オリックス選手の登場曲は、バファローズ公式サイトに一覧がアップされているので、ご興味のあるかたは閲覧をお勧めする。

 因みに、音楽について回るのが著作権。20年ほど前はプロスポーツ界の音楽演出に於いてはある種、グレーゾーンとして扱われていたのは確かで、そこに踏み込もうとするものはないという状況があった。その慣例を打ち破り、プロスポーツイベントで最初に音楽著作権料を、正直に申告したのも、実はオリックスだったのだ。これは、当時のJASRAC担当者が「これはオリックスさんが初めてで……」と語ってくれているので確かなことだと思われる。なぜ、オリックスが?って。当時、球団事務所が入っていた同じビルに、JASRACの事務所があったから……。という、ウソのようで本当の話。だって、最初に申請した当事者が僕だから……。

 球場に流れる音楽について、語りたいことはやまほどあって、今回は選手の“出囃子”について記してきたが、今後、いずれかの稿で、球団イメージソングについて述べたいと思う。スタジアムで流れる音楽のみならず、ビジョン映像やイベント、地域貢献、さらにはスタジアムのボールパーク化など、様々な分野で球界の先駆けとして、アクションを起こしてきたオリックス球団。今や、当たり前になっていることが、当たり前ではなかった時代に、“事”を仕掛け続けてきたのだ。その事実もまた、日本プロ野球の歴史を彩るものであることは間違いない。

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