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五輪中断期間中にやってきた“キューバ砲”アルバレスはホークスの救世主となるか

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/08/09
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「クルーズにそっくりなんだよな」

 工藤公康監督は「見ているとタイミングの取り方が上手いのかなと思う」としたうえで、「バットコントロールとか、体の使い方も器用だと小久保(裕紀)ヘッドも話していたし、失投は結構逃さないんじゃないかというイメージですね」と感心したような表情で話した。

 平石打撃コーチも「スイング軌道に大きな癖もない。外国人選手だけど、足を上げて打つタイプ。あとはどういう(ボールの)待ち方をするのか。幅広く持ってくれればいいなと思っていたが、直球を打った次の打席ではしっかり変化球を頭に入れてスライダーを打ち返していた」と対応力について評価。また、立花義家打撃コーチは「ロッテ時代に指導したことのあるクルーズにそっくりなんだよな」と頷いた。

 ルイス・クルーズ。懐かしい助っ人だ。14年から4年間日本球界でプレーして、そのあいだにロッテ、巨人、楽天と3球団に在籍した。NPB通算362試合に出場して打率.244、43本塁打の成績を残した。打者としては中距離バッタータイプだったが、とにかく守備の上手い選手だったと記憶している。内野の複数ポジションを守れる名手で、15年シーズンには二塁手部門でゴールデングラブ賞を獲得したことがあった。

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 一方のアルバレスは外野と一塁を守ることは出来るが、正直守備力は怪しい……が、じつはかなりの強肩の持ち主なのだ。

 BCリーグ・茨城では投手として2試合に登板した「二刀流」プレーヤーだった。ストレートの最速は157キロを誇るというから少々驚いた。

 おそらく野球選手としての潜在能力はかなり高いのだろう。これまではそれを発揮する機会や環境との巡り合わせが悪かっただけなのかもしれない。

 後半戦で4位からの巻き返しへは攻撃力の増強が不可欠なホークスにとって、新たな「キューバ砲」が救世主となるかもしれない。

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