相手球団を「からかう」という発想
広島・松田オーナーはサンスポさんの取材ではっきりこう仰っている。
“――からかう企画は相手球団に伝える?
「言うよ、社長に。こういう形でやるけんねと。それは仁義じゃけ。普通は嫌がられん。ヤクルトは嫌がるんじゃ。あれは応援団がやっとるんで、応援団から苦情が来るらしいわ」”
元々はスワローズファンが家から持ってきた傘を、応援傘としてある意味、球団グッズに昇華させたヤクルト球団。
応援傘として球団グッズになっていく中で、はじめに球団がツバメ軍団に対してどういう筋を通したのか。その権利関係はどうなったのか。
詳しい事はわからないし、僕が個人的に聞いている事がどこまで本当なのかも分からないし、これ以上は話が横道にそれてしまうのでここには書きませんが、ヤクルト球団がこの赤傘企画を嫌がっていたという事実は、少なくともその【想い】を汲み取っていたからだと思います。
上方で【粗忽長屋】をやる落語家がいっぱいいるのも、そういう柳家一門の【想い】をそもそも知らないから。
だから知らずにやる人はやるし、それを後で知ったとしても、やる人はやる。
それでいいんだと思います。
【想いの強さ】を軽んじられているように感じているから怒っている
だから、神宮で阪神ファンが東京音頭に合わせて自分たちで調達した黄色い傘を振っている光景を見て、僕はほんのちょっとだけイラッとはしますが、むしろ神宮ならではな感じが面白いと思えます。
なぜそこまで腹が立たないか。
それは、阪神ファンが自由に各々のルール、解釈で勝手に楽しんでやっているから。
それこそスワローズをからかう意味で振ってる人もいるでしょうし、純粋に楽しんで振ってる人もいるでしょう。
そんな個人のことまで批判するのは、それこそ筋違いです。
しかし、球団が主導して堂々とからかってくるのは、ちょっとおかしい。
「一日だけだからOK」、とかそんなんじゃない。
スワローズの傘応援は、古典落語のように長い時間をかけてスワローズを愛する先人が醸成してきたもの
勘違いしてほしくないのは、大半のスワローズファン、そしてツバメ軍団は傘を振ることに対して怒っているんじゃないんです。
その【想いの強さ】を軽んじられているように感じているから怒っているんです。
スワローズの傘応援は、古典落語のように長い時間をかけてスワローズを愛する先人が醸成してきたものなんです。
そう、醸成してきたんです。
そしてそれはもはや、その土地土地に伝わる風習のようなもの。
その風習をどう思うかは個人の自由ですが、その風習を軽んじる事をされれば、その土地の住民が腹立たしく思うのは当然なのです。
スワローズファンは他球団のファンと比べても大人しく、基本的には争いを好まない草食系。
だからカープ球団さん、お願いです。
来年からは普通に入場者にヤクルト配ってください!!
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