一ファンが不毛な感情を抱く必要はない
もちろん「不安」は今も健在だ。
「逆転されるのではないか?」
「無死満塁だけど無得点で終わるのではないか?」
「え? ここで村西大丈夫?」
「ラオウが1年限りの活躍で終わったらどうしよう」
「また最下位に逆戻りするんじゃないか?」
「え? ここも村西?」
などなど。
でもそこに「不満」はないのだ。なぜならチームと現場の選手たちをあれほど愛する中嶋監督が無意味なことをするわけがない、という強固な「信頼感」ができてしまった今となっては「何か中嶋監督的には意味があってやっているに違いない」と感じてしまうからだ。
これって、プロ野球チームを応援する人間として実はすごく幸せなことだと思う。
ただ選手たちの活躍を信じ、チームの勝利を願い、日本一を目指して半年間一喜一憂を繰り返し、それが純粋に日々の活力になる。日本中全てのプロ野球ファンが初めて贔屓チームのファンになった少年少女時代はそうだったはずだ。もちろん僕も。だが長く低迷するチームの何がいけないのか、何が腐敗しているのかを正確に理解「できてしまう」年齢になり、僕の中からその「純粋さ」は完全に影を潜めてしまった。
というか「不満」と「怒り」の日々がいつの間にか当たり前になっていたのだ。
今は違う。僕のような一ファンがそんな不毛な感情を抱く必要などないのだ。チーム再建の大きな苦しみはあの背番号78の大きな背中が一人で背負ってくれる。僕らはただ純粋にあの日の少年のように大好きなチームを精一杯応援すればいいのだ。こんなに幸せなことはない。
オリックスに起きる全ての出来事を楽しむ
紅林弘太郎はどんな凄いクラッチヒッターに成長するだろうか?
来田涼斗は、太田椋は、野口智哉は、池田陵真は、渡部遼人はいつ覚醒するだろうか?
山岡泰輔は、黒木優太は、近藤大亮は、どんな復活劇を見せてくれるだろうか?
3年後にオリックス・バファローズはどんなチームに成長しているだろうか?
大丈夫。中嶋監督の頭の中には間違いなくその全てへのビジョンがある。もちろん上手くいかないことや思わぬアクシデントもたくさんあるだろう。
でも、それも含めて全てがプロ野球の醍醐味であるはずだ。
僕はただただ純粋にこれからオリックスに起こる全ての出来事を楽しむだけでいいのだ。こんな日々が送れていることに感謝しかない。
ゴールデンウィークが終われば交流戦だ。待ってろ横浜スタジアム。今年の夏も帯広・釧路のファイターズ戦は絶対行きたい。いや行く。25年勤めた会社辞めるのに忙しくてなかなか行けてないけど、落ち着いたら何度も行くから待っててくれ我らが京セラドーム! そしてBs SHOP! そして秋には日本シリーズが待っている。連覇? もちろんさ。今度こそ超満員の京セラドームで中嶋監督を胴上げだ。
その夢だけで、今日も元気に生きていける。
オリックスファンで良かった。
プロ野球はやっぱり最高だ。
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