スポーツ新聞と一般紙、くっきり違って見えること
さて今度は一般紙を見てみましょう。1面の、目次というか主な記事の簡単な紹介に、朝日も毎日も読売も、《日ハム・ポンセ無安打無得点》《ポンセ無安打無得点》《ポンセノーヒッター》の文字。毎日と読売は小さな顔写真までつけてます。そして道新はというと、これはもう簡単な紹介なんていうものじゃなくて、1面記事の中にしっかり《ポンセ無安打無得点 日ハム27年ぶり 北海道移転後初》がある訳ですね。ここでまず事務的かつ客観的に試合の概略とノーノー達成についての情報を述べ、スポーツ面ではファイターズ視点に徹した記事を1ページほぼ全部(はたして他の5試合は写真もありませんでした)、で終わらず社会面にまで。ファンの声を紹介していました。地元紙の面目躍如!
さすがにここまでやるのは道新だけですが、朝日も毎日も読売も1ページの半分ほどをこの試合にあてて、写真もでっかく載せてます。読売新聞ともあろう者がと思われるかもしれませんが、実は読売のスポーツ面、道新なみにファイターズやコンサドーレの扱いが大きいんですね。プロ野球に2ページ使ってます。もう1ページの半分でジャイアンツの試合、残りのスペースで《宮城プロ初完封》も《キブレハン1・2・3号》も写真付きの記事が載りました。
と、合計8紙を一度に並べて見てみたら、スポーツ新聞と一般紙、くっきり違って見えることに気付きました。写真の選び方なんです。
道スポ1面は、ノーノー達成直後、清宮幸太郎とコナー・メネズがマウンドに駆け寄って3人とも喜び爆発という姿。一方、道新はというと、一番大きなスポーツ面の写真は、投球動作の真っ最中、今まさにボールを投じようとしている姿を真正面からとらえたところなんですね。
報知はノーノー達成の瞬間のガッツポーズ、スポニチはナインがマウンドに集まってハイタッチの図、日刊はビッグボス新庄剛志に祝福されているところ。朝日と毎日は、一瞬同じ写真かと思うくらいよく似た構図の、今まさにボールを投じようとしている姿を横からとらえた投球動作の写真……そう、まるで道新の写真の向きを変えてみましたという感じです。読売だけは報知と同じガッツポーズでしたが、他の試合の写真の選び方はやっぱり違ってました。《宮城プロ初完封》も《キブレハン1・2・3号》もプレー中の写真なんです。でも報知では試合後の笑顔になるんですね。
佐々木朗希パーフェクトの時は各紙どんな写真だったっけ、などと考え始めましたが何分にもほぼ5か月前のこと。せめてこれから先、ちょっと意識して野球記事の写真を見ていこうと思う所存です。
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